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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

鼠径ヘルニアの最新治療

局所麻酔で手術時間は30〜40分。その日からシャワーもOK

イラスト 鼠径ヘルニアの手術は、どの方法でも、局所麻酔(コラム参照)を使って手術時間は30〜40分程度です。

 「切開した皮膚の部分は自然に吸収される糸で縫合するか、皮膚接着剤で止めてしまうので、消毒や抜糸の必要もなく、その日からでもシャワーを浴びることができます」(伊藤氏)

 そのため、多くの病院で、入院期間は長くても数日、健康で体力のある患者さんの場合には、日帰り手術も可能ということです。

 NTT東日本関東病院では、日帰り手術、手術当日入院して翌日退院の1泊2日、手術の前日に入院して手術の翌日に退院する2泊3日入院の3コースの中から、選択できるようになっています。

 鼠径ヘルニアは、即、命にかかわる病気ではないため、脱腸帯などで押さえて日常生活を送っている人もいるようです。しかし、「脱腸帯をしなければならない人は、ヘルニアがかなり進行して苦しい状況になっているはず。脱腸帯は医学的に認められたものではありませんし、飛びだしたものを無理に押さえつけるのもよいことではありません」と伊藤氏。

 放置した鼠径ヘルニアは、大きく飛びだすようになるか、筋膜の穴がさらに大きくなるか、飛びだした内臓や組織がなんらかの症状を現すようになるか、いずれかの経過をたどります。
 「鼠径へルニアがあることがわかったときが、手術の潮時と思ってください。手術も早いほど軽く済みます」と伊藤氏は語っています。


Column :安全で、手術時間も短縮できる膨潤麻酔法
 NTT東日本関東病院では、鼠径ヘルニアの手術に、「膨潤麻酔」という新しい方法をとり入れています。
 使用する麻酔薬は、通常の局所麻酔薬を生理食塩水で5倍にうすめ、交感神経刺激薬のエピネフリンを少量加えたもの。
 「エピネフリンには、末梢血管を収縮させる作用があるため、止血効果が高いうえ、血管のくすりの吸収が遅くなり、麻酔の持続時間が延長されます。局所麻酔は、通常、頻回打たなければなりませんが、この方法なら数か所、数回で済むため、手術時間の短縮につながります」(伊藤氏)
 また、麻酔薬を打つ際に、太い注射器で手術部位に勢いよく注入するため、組織と組織の間に薬剤が入って剥離しやすくなる効果もあります。脂肪を剥離しやすくしたり、出血を減らす作用もあるため、米国では美容整形の脂肪吸引に不可欠な局所麻酔法となっています。
 「膨潤麻酔は、患者さんのからだにかかる負担が少ない麻酔法です。鼠径ヘルニアが再発して、最近この麻酔法で手術を受けた患者さんに聞いたところ、今度の手術のほうが、ずっとからだが楽だったという答えが返ってきました。中高年に多いこの病気には、とくに向いている麻酔法といえるでしょう」(伊藤氏)

 (記事提供:保健同人社)

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