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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

鼠径ヘルニアの最新治療

鼠径ヘルニアの手術法

 おもな術式は次の4種類で、いずれもポリプロピレンでできたメッシュやシートなどの人工膜材で筋膜にできた穴をふさぐ方法です。医師とよく相談して、鼠径ヘルニアの大きさや症状などに合った治療法を選択することが大切です。

 「これらの手術で筋膜の穴をふさぐと、その部分に膜のようなはたらきをする結合組織ができて筋膜が補強されます。再発率はいずれも1%以下です」と伊藤氏。

 手術で使うメッシュやシートは、医療材料として半世紀以上も使われてきたポリプロピレンでできているため、副作用などの心配はまずないということです。

 「ただし、人工物なので、万一感染症をおこした場合には、とり除かなければならないこともあります」(伊藤氏)

 手術後は、痛みさえなければ、すぐにふつうの生活にもどることができます。
「ただし、重いものを持つことや、激しい運動など、腹圧がかかるようなことは、2週間前後はさけてください」と伊藤氏。

メッシュ・プラグ法
【内容】筋膜の穴に傘型のポリプロピレン製のメッシュを入れて、上から別のメッシュを被せて補強する方法。
鼠径法(鼠径管を切開する)(注)
【適応】・筋膜の穴の小さい外鼠径ヘルニア

【メッシュ、シートの写真】
写真
【概念図】
イラスト傘状のメッシュを入れて上から別のメッシュでおおう
(注)鼠径法……鼠径管(筋膜の内側にある筒状の管で、精巣静脈、精巣、精索などがとおっている)を切開する方法で、オリジナル・クーゲル法以外のメッシュ・プラグ法、PHS法、ダイレクト・クーゲル法では、この方法をとる。腹膜前腔が剥離できないなどの理由で、手術の途中で術式を変更しなければならない際に、応用がきくのが利点。

プロリン・ヘルニア・システム法
【内容】一体化した2枚のシートで、筋膜の穴を内側と外側から補強する方法。内側のシートは、筋膜と腹膜の間の腹膜前腔に広がったまま入れなければならないため、筋膜の上をふさぐメッシュ・プラグ法よりも高い技術が必要になります。
鼠径法(鼠径管を切開する)

【適応】 ・筋膜の穴の大きい外鼠径ヘルニア
・内鼠径ヘルニア
【メッシュ、シートの写真】
写真
【概念図】
イラスト筋膜の穴を両方から補強する

オリジナル・クーゲル法
【内容】メッシュ構造のポリプロピレンシートが2枚重なったものを腹膜前腔に入れる方法。シートとシートの間にはリングが入っているので、クシャクシャにならずに広がる構造になっています。シートは腹圧で押さえつけられて安定するため、固定はしません。
鼠径管を切開しない方法でほかの手術よりもやや上のほうを切開する

【適応】 ・外鼠径ヘルニア
・内鼠径ヘルニア
・過去に行った手術や放射線の治療などの影響で腹部の組織に癒着があったり、かたくなっている場合は、原則として適応外
【メッシュ、シートの写真】
写真
【概念図】
イラスト

ダイレクト・クーゲル法
【内容】 オリジナル・クーゲル法と同じく、腹膜前腔にシートを入れる方法ですが、シートにストラップがついていて中で固定できる点に特徴があります。
鼠径法(鼠径管を切開する)

【適応】 ・外鼠径ヘルニア
・内鼠径ヘルニア
・過去に行った手術や放射線の治療などの影響で腹部の組織に癒着があったり、かたくなっている場合は、原則として適応外
【メッシュ、シートの写真】
写真
場合によりオンレイパッチを
使用することも
写真
【概念図】
イラストストラップは両側に開いて固定する

 (記事提供:保健同人社)

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