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【MEDICALホットニュース】

妊産婦の食生活指針公表

 厚生労働省が妊産婦に対する食生活指針を作成し、妊娠期や授乳期に何をどれだけ食べたらよいかをわかりやすく伝えるために、1日の食事の目安となる「妊産婦のための食事バランスガイド」と「推奨体重増加量」を示した。

題名 若い女性の食生活が大きく変化

イラスト  近年、食生活が大きく変化している。若い女性では、朝食を抜く人、ダイエットのために各種栄養素の摂取量が必要量を下回る人が増え、食品の選択や食事の準備のために必要な知識や技術が不足している人も少なくない。さらに特徴的なのが、低体重(やせ)の人が増加した点だ。

「近年の低出産体重児(2500g以下)の増加は、こうした背景などともかかわりがあるものと考えられます」

 と今回の指針を策定した「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」座長で、国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹の吉池信男氏。

 健康な子どもを産み育てるためには、妊娠前からやせすぎや肥満にならないように、バランスのよい食生活を続けることが大切だ。


題名 土台は昨年公表の「食事バランスガイド」

 妊産婦は胎児の発育のためにエネルギー、各栄養素ともに多く摂取する必要がある。指針では、2005年に公表された「食事バランスガイド」()を土台にもちい、「妊産婦のための食事バランスガイド」として、妊娠初期(16週未満)・妊娠中期(〜28週未満)、妊娠末期〜授乳期(28週以降)の付加量を示している(図1)。

「基準は妊娠していない成人女性の適量(2000〜2400kcal)です。とかく妊娠がわかってから付加する部分に注目しがちですが、要となるのは土台(妊娠前の食事)の部分です。子どもがほしいと思ったら、食生活の見直しから始めていただきたいと思います」(吉池氏)

 ガイドを参考に食事をすれば、エネルギーや栄養の量とバランスはほぼとれる。しかし、鉄だけは不足してしまう。

「鉄は妊娠中には、非妊娠時の倍近くの量(19.5mg)をとる必要があります。鉄の豊富な食品をプラスして積極的な摂取を心がけてください」(吉池氏)

 ガイドの中では、妊娠・授乳中の喫煙、飲酒が胎児や乳児の発育などに影響することも示し、注意を呼びかけている。

[注]食事バランスガイド:デスクワークの男性やほとんどの成人女性の摂取すべきエネルギー(2000〜2400)、栄養素量に基づき、食事の望ましい組み合わせをわかりやすくイラストで示した。
http://www.j-balanceguide.com/
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

図1 妊産婦のための食事バランスガイド

  1日分付加量
  非妊娠時 妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
授乳期
主 食 5〜7つ(sv) +1
副菜 5〜6つ(sv) +1 +1
主菜 3〜5つ(sv) +1 +1
牛乳・乳製品 2つ(sv) +1
果物 3つ(sv) +1 +1

  料理例
主食 【1つ分】ごはん小盛り1杯・おにぎり1個・食パン1枚・ロールパン2個
【1.5つ分】ごはん中盛り1杯
【2つ分】うどん1杯・もりそば1杯・スパゲティ1皿
副菜 【1つ分】野菜サラダ・きゅうりとわかめの酢の物・具だくさんみそ汁・ほうれん草のおひたし・ひじきの煮物・煮豆・きのこソテー
【2つ分】野菜の煮物・野菜いため・芋の煮っころがし
主菜 【1つ分】冷ややっこ・納豆・目玉焼き1皿
【2つ分】焼き魚・魚の天ぷら・マグロとイカの刺身
【3つ分】ハンバーグステーキ・豚肉のしょうが焼き・鶏肉のから揚げ
牛乳・
乳製品
【1つ分】牛乳コップ半分・チーズ1かけ・スライスチーズ1枚・ヨーグルト1パック
【2つ分】牛乳びん1本分
果物 【1つ分】みかん1個・りんご半分・柿1個・なし半分・ぶどう半房・桃1個


題名 神経質にならず、おおらかに指針の実行を

 指針のもう一つの柱は、「推奨増加体重量」の提示である。

「妊娠前に低体重だったり、妊娠中の体重増加が少ないと低体重児が生まれやすくなり、妊娠前に肥満だったり妊娠中の体重増加が多いと妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすくなることから、一定の目安を示し、注意を促しています」(吉池氏)

 そこで国内外のデータをもとに、妊娠前の体格別に増加量の推奨値を示している(図2)。

 今後、指針の内容は、広く一般に情報提供していくという。

「指針の内容を“こうでなければならない”と神経質に受け止めるのではなく、母子ともに健やかな生活を送るための一助としておおらかに受け止め、活かしていただきたいですね」と吉池氏は語っている。

図2 妊娠中の推奨増加体重量

体格 推奨体重増加量
妊娠中期〜末期 全期間で
低体重 BMI18.5未満 0.3〜0.5kg/週 9〜12kg
ふつうBMI18.5以上25.0未満 0.3〜0.5kg/週 7〜12kg
肥満 BMI25.0以上 個別対応 個別対応
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)


 (記事提供:保健同人社)


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