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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

血圧新常識で血管を若く保つ

上の血圧には善玉と悪玉がある
健康長寿のためには悪玉を高くしない

 心臓は拡張と収縮をくり返しながら血液を全身に送りだしていますが、そのドッキンドッキンという拍動を「脈波」という波形でつかまえることができます。脈波は、心臓をでる大動脈の入口でおおもとの波形がつくられて、全身の血管に伝わっていきます。

 近年、脈波の波形が2つのピークをもつ、ふたこぶ型をしていることがわかってきました(図2)。

 1つ目の山は心臓が収縮して左心室から大動脈の入口に向かって血液を送りだしたときのもの。そして、2つ目の山は、血液を送りだしたときの脈波が全身の血管から跳ね返ってつくられる反射による波です。

 動脈硬化の進んでいない血管はやわらかく、ボールをやわらかい地面にぶつけたときのように反発も弱く、反射でできる波のもどりもゆっくりになります。しかし、動脈硬化をおこし、血管の壁が硬く厚くなっていると、ボールを硬いコンクリートの壁にぶつけたときのように反発が強くなり、反射でできる波のもどりが速くなります。

 そのため、全身の動脈硬化が進んで血管が硬くなっていくほど、反射波のもどりが速くなり、2つ目の波が高くなります。そして、この反射波のもどりが速いと、心臓が血液を送りだしている最中にもどってきてしまいます。血液を送りだしている最中の心臓は、大動脈との間のドア(大動脈弁)が開いたままになっているため、その圧力をもろに受けてしまうことになります。

 「最初の脈波は、血液を全身に送りだすために不可欠なものなので“善玉波”、2つ目の脈波は心臓に負担をかけるものなので“悪玉波”です。そして、善玉波がピークを示したとき(P1)の血圧を“善玉血圧”、悪玉波がピークを示したとき(P2)の血圧を“悪玉血圧”と呼びます」(高沢氏)

 このうち悪玉血圧を高いまま放置すると、心筋拡大、不整脈、心不全などを引きおこす引き金になるのです。

 善玉波に対する悪玉波の大きさの割合をAI(Augmentation Index)と呼びますが、悪玉波が大きく、早くもどってくるほど、AI値は高くなります。そしてAI値が高いほど、心臓への負担が大きいことを示しています。

「つまりAI値は悪玉波を示し、健康のためには、悪玉血圧を下げることが大切なのです」(高沢氏)

 しかし、通常行われている上腕の血圧計測は善玉波をとらえたときの善玉血圧であり、悪玉血圧のほうは隠れてしまいます。こうした問題を解決すべく近年、脈波を測定する機器(写真)が開発され、診察室で座ったまま、血圧測定と同じように約1分間で脈波を計測できるようになりました。

 健康で長寿を楽しむ人生を実現するためには、平均血圧を上げないこと、脈圧を大きくしないこととともに、悪玉血圧を大きくさせないことが大切です。それはすなわち、動脈硬化を進行させない心がけが大切ということでしょう。


図2 脈波の善玉波と悪玉波
高沢謙二 著『血圧革命』(講談社)より
 大動脈の入口で心臓が収縮したときの血液が流れる速さと脈波を同時に記録したもの。
 P1を頂点とする1つ目の波は心臓が収縮して左心室から大動脈の入口に向かって血液を送りだしたときのもの(善玉波)、一方、P2を頂点とする2つ目の波は血液を送りだしたときの波が全身の血管に跳ね返ってつくられたもの(悪玉波)である。2つ目の波は動脈硬化が促進しているほど高くなる。


写真 脈波を測定する装置

オムロンHEM−9000AI

 (記事提供:保健同人社)

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