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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

苦しくない! 内視鏡検査

知ってる? 内視鏡のちから
観察だけでなく、治療や処置もできる

 外からは見ることのできなかったからだの内側の観察を可能にしたのが内視鏡です。先端部にビデオカメラのついた屈曲が自由なやわらかい管(ファイバー)を挿入することで、体内の状態が、モニター画面をとおして外側からも観察できるようになりました。

「その歴史は意外に新しく、1853年にクスマウルが発明した硬い金属でできた胃鏡に始まります(表1)」と東京医科大学内視鏡センター部長の河合隆氏。

 わずか130年足らずの間に、現在のように画面を見ながら電子内視鏡で行う形まで格段の進歩を遂げ、その後、臓器や使用目的によってさまざまな種類の内視鏡が開発されました。直腸鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、気管支鏡、子宮鏡、関節鏡などの名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 こうした内視鏡のなかでもっとも頻繁に使われているのが、食道・胃・十二指腸などの上部消化管検査に使われる、俗に胃カメラとも呼ばれる「胃内視鏡」と、直腸と大腸などの下部消化管検査にもちいられる「大腸ファイバースコープ」です。ここでは上部消化管検査を中心に話を進めます。

「消化管用の内視鏡では、まず、病巣を探すための観察ができます(表2)。微小な病変や識別しにくい部位の検査では、スコープの先から色素を散布して、病変部を目立たせることも可能で、肉眼だけでなく、写真やビデオ画像に記録して観察することもできます。病気の有無だけでなく、進行状態なども判別できます。

 また、スコープ先端に装着した鉗子で、病理検査を行うための組織を採取したり、ポリープなど病巣の切除などの治療、出血部位の止血などの処置を行うこともできます」(河合氏)

 近年では、内視鏡の進歩によって、がんであっても、粘膜の表層にとどまっているようなごく早期のものであれば、内視鏡による切除も可能になっています。

 このように、内視鏡は、患部の観察だけでなく、組織採取や治療・処置までできる医療機器として、医療現場になくてはならない存在となっています。


表1 内視鏡の歴史

1853年
ドイツの医師、クスマウルが金属で47cm、直径13mmの硬性胃鏡を開発。
1879年
ドイツのニッツェとレイターが電気を光源とした胃鏡を発表。
1932年
ドイツの医師シンドラーがわずかに先端の屈曲する軟性胃鏡を開発。
1950年
東大の医師とオリンパス光学工業との共同研究で胃の中を写せる胃カメラを開発。
1957年
アメリカで屈曲しても光を端から端へ伝えることができるガラス繊維(グラスファイバー)をもちいた胃カメラを開発。
1964年
オリンパス光学工業が胃カメラにファイバースコープを組み込んだファイバーカメラを製作。
1966年には生検用、細胞診用などのスコープを市販。
1983年
米Welch-Allynd社が電子内視鏡(電子スコープ)を開発。CCD(半導体撮像素子カメラ)の装着により、画像をテレビ画面に映しだすことができるようになり、臓器内面の状態を、複数の人が同時に見られるように。
  以降、超音波内視鏡の登場、また、治療および処置のできる内視鏡の進歩により、内視鏡は検査・診断から、治療・処置の時代に入った。

表2 上部消化管内視鏡検査で見つけられる病気
食道 食道がん、逆流性食道炎、ポリープ、食道静脈瘤など
胃がん、胃炎、胃潰瘍、胃ポリープなど
十二指腸 十二指腸がん、十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープなど

 (記事提供:保健同人社)

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