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【MEDICALホットニュース】

高血糖が胃がん発症のリスクにも

題名 心配なのは糖尿病だけではなかった

イラスト  健康診断などで「血糖値が高い」といわれると、糖尿病のリスクだけを考えがちだが、じつは、がんの発症とも関連していることが、九州大学医学部の研究によって明らかにされた。同学部環境医学講座(清原裕教授ら医師13人、本年2月九州大学病態機能内科学久山町研究室が独立)では、福岡県久山町において住民の協力のもと44年間にわたって継続的な健康診断とそれに基づく疫学調査、いわゆる「久山町研究」を行っているが、その成果の一つとして4月20日の第92回日本消化器病学会総会で報告されたものだ。

 発表にあたった同研究室の池田文恵医師によると、久山町研究室が着目したのは、ヘモグロビン(Hb)A1Cの値と胃がん発症の関連だ。血液中の糖分が増えると、ヘモグロビンに糖が付着し、たんぱく質に糖がまぶされ多様な状態で化学反応をおこす、いわゆる「糖化」という現象がおこる。このプロセスでできる物質がHbA1Cである。

 対象は久山町在住の40歳以上の住民で、胃切除や胃がんの既往のない2603名(40〜96歳、平均年齢は59.2歳)。

 追跡期間は1988年から2002年までの14年間で、その間に胃がんを発症したのは97人だった。


題名 高血糖では発症率が2倍。血糖値上昇の新たな警鐘にも

 久山町研究では、さまざまな角度から高血糖と胃がん発症のリスクについて検証しているが、は、対象者をHbA1Cのレベル0.5%きざみで四群に分け、それぞれの胃がん発症率を求めたものだ。HbA1Cレベルの上昇とともに胃がん発症率も上昇し、最大ほぼ1.7倍という有意な差が見られた。6.5〜6.9%以上で発症率が頭打ちになっているのは、HbA1Cが高い群では、虚血性心疾患や脳卒中などによる死亡など、追跡から脱落している可能性があると見られている。


図 ヘモグロビンA1cのレベル別にみた胃がん発症率
久山町第3集団2,603名 40歳以上 1988−2002年 性・年齢調整


題名 高血糖とピロリ菌感染は、胃がん発症に相乗リスク

 研究では、胃がんの危険因子として一般的にもっとも強力視されているピロリ菌感染との関係も調べている。この検討では、HbA1Cの値が正常でピロリ菌の感染がない群を基準にすると、HbA1C高値かつピロリ菌陽性の群でのみ相対危険が3.5倍と有意に上昇していた。

「つまり高血糖とピロリ菌感染には、胃がん発症に関して相乗リスクがあることを示唆しています」(池田氏)

 また、追跡期間を7年までの前半と、8年から14年の後半に分けて検討してみた結果、後半でのみ有意に上昇していた。高血糖に長期間さらされることが、胃がん発症のリスクを高めているものと見られる。

 このようなことから「とくにピロリ菌陽性で血糖の高い人は高危険群と見て、これらの人々は血糖のコントロールを十分に行うことが大切です」と池田氏は警鐘を鳴らす。またピロリ菌除菌適応を考えていくうえで、ハイリスク群を特定する必要から、このようなHbA1Cのデータが参考になることも考えられる。

 一方、血糖値のわずかな上昇も長期間続くと、糖尿病だけでなく発がんのリスクになり得るということを知って、定期的な検査とともに、できるだけ正常値に近づけるよう生活習慣を正していきたいものだ。


 (記事提供:保健同人社)


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