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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

味覚に自信ありますか

味覚障害の人は推計24万人。10年間で10万人増

 毎日の食事のなかで、私たちが「おいしい」「まずい」と味を感じるメカニズムは、どのようなものなのでしょうか。

「味を感じるのは舌を中心に上あごやのどに分布する味蕾という器官です。味蕾は液体状のものしか感知しないので、よく噛んだ食べものが唾液と混ざることにより甘味、塩味、酸味、苦味、旨味が感知され、その情報が神経を通じて脳へ伝達されます。これが味覚です」と服部栄養専門学校校長、服部幸應氏は話します。

 実際は、そのほかにも、食欲をそそる嗅覚やおいしそうに見える視覚、舌触り、歯応えなどの感触、かつての食の記憶なども関与し、トータルに味を感じるのだといいます。

 その味覚が障害される「味覚障害」の人はどのくらいいるのでしょうか。日本大学耳鼻咽喉科講師の生井明浩氏は「平成15年の日本口腔・咽頭科学会の調査によると、国内に24万人の味覚障害の人がいると推計されています」と話します。

 平成5年の患者数は14万人という統計ですから、10年間で10万人が増えたことになります。男女比は3対2の割合で女性に多く、年齢層は中年以降に増え始め、60代がピークになっています。さらに、近年は20〜30代の若い世代にも味覚外来を受診する人が増えているといわれます。

 「現代人の味覚は全般的に低下している」と服部氏も指摘します。

 「当校では、毎年新入学の生徒に甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5種類の味を4段階でテイスティングさせる味覚のテストをしていますが、20〜30年前はもっともうすい味で56%、もっとも濃い味で87〜88%の学生が当てられたのに、今はもっとも濃い味でも56〜57%の学生しか当てることができません。味に関心がある当校の学生ですらそういう状況なのですから、治療を要する味覚障害とまでいかなくとも、味覚オンチの人が確実に増えている印象があります」(服部氏)


味覚障害の検査
味覚障害の検査 味覚障害が疑われる場合には、「濾紙ディスク検査」や「電気味覚検査」などの味覚検査を行います。
 通常、耳鼻咽喉科の味覚外来で行われるのは、濾紙ディクス検査です。この検査は、甘味、塩味、酸味、苦味という4つの基本味*を染み込ませた小さな濾紙を舌の上にのせて、味が感じられるかどうかを調べるものです。
 「濾紙に染み込ませた味は全部で5段階あり、もっともうすい味の1から、もっとも濃い味の5まで、順に舌の上と上あごの計6か所にのせていきます。全部が3でわかれば、ほぼ正常に近いと診断されます」(生井氏)
 また、電気味覚検査は、舌の上に電極を当て、弱いプラスの電気を流して刺激レベルを変化させ、味を感じとれる度合いを調べる方法。この検査は、おもに神経障害を診るために行われます。
*実際は旨味も含めた5つの味を5基本味というが、旨味は腐りやすく、賞味期限が短いため試薬には含まれていない。

 (記事提供:保健同人社)

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