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厚生労働省がん研究助成金研究「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班は、今年4月『がんの補完代替医療ガイドブック』(A4判28頁/日本補完代替医療学会監修)を作成した。 補完代替医療とは、現代の西洋医学において科学的に未検証であり臨床にももちいられていない医学・医療のことだ。がんの治療・再発防止を期待して、多くのがん患者が利用しているキノコ類などを主成分とする健康補助食品もその一例である。このガイドブックはそうした食品が、ヒトのがんに対して本当に直接的な治療効果があるのかどうかを、米国国立衛生研究所が提供しているデータベースをもとに検証してまとめたもの。
ガイドブックは「活用編」と「資料編」からなり、カラーのイラスト入りで、わかりやすい表現で書かれている。 「活用編」は補完代替医療に関心をもっている人、利用しようと考えている人、すでに利用している人などが、その利用に当たって確認・注意すべき点を中心にまとめられている。【補完代替医療とは】【補完代替医療に対する心構え】をはじめ、【関心があるとき確認すべきこと】【利用する前に確認すべきこと】【情報の集め方と注意点】などの項目には、読者自身が確認できる細かなチェックリストも。また、【利用する際の注意点】では、健康補助食品はくすりと同じようなはたらきをする可能性があるため、症状によっては摂取に注意する必要のあることなどが書かれている。 「資料編」には、利用頻度の高い、[アガリクス][プロポリス][AHCC][サメ軟骨][メシマコブ]などについて、今回、同研究班が行った文献調査の結果が紹介されている。「多くのがん患者が期待している直接的な治療効果(がんの縮小、延命効果など)を証明するような報告は、ほとんど見られなかった。また、今後ヒト臨床試験による科学的根拠が蓄積され、順次、有効・無効、有害・無害が明らかにされていくことと思われる」としている。
このガイドブックを作成した経緯について、研究班の主任研究者である住吉義光四国がんセンター病棟部長は「現在、がん患者の約4割が民間療法、健康補助食品など、なんらかの補完代替医療を行っていて、そのうちの9割が健康補助食品です。健康補助食品をとっている人や、これから使用を考えている人は、本当にがんに効くのか、がんの症状をやわらげるのかを知りたがっているのですが、公平な立場からその効果を検証し、正しい利用方法を示すガイドブックのようなものがなかったわけです。ニュートラルな立場で効くのか効かないのか、副作用があるのかないのかなどを検証して、補完代替医療のなかで健康補助食品がどんな役割をはたすものなのか知ってもらうためにつくりました」と話す。 研究班では、今後もさらに新たなデータを追加更新していく予定だが、現在、がん患者を対象にした健康補助食品の臨床試験にもとり組んでいる。 「臨床試験数がきわめて少ないため、直接的な有効性はわからないというのが正直なところです。ただ、精神的な不安や副作用を軽減するという効果は実際のデータからも期待できると思います。使用するに当たっては効くかどうかはわからないこと、副作用のでる可能性があること、価格が安くないことなどをしっかり理解し、医師とも十分にコミュニケーションをとり、このようなガイドブックも読んで、十分に納得してとり組んでいただければと思います」(住吉部長) 同ガイドブックは、四国がんセンターのホームページ(http://ky.ws5.arena.ne.jp/NSCC_HP/top_page/)で公開している。また住所、氏名を明記し200円切手を貼付したA4サイズの封筒を送ると冊子を郵送してくれる。 冊子の申し込み先: 〒791−0028 松山市南梅本町甲160 四国がんセンター『がんの補完代替医療ガイドブック』係
(記事提供:保健同人社)