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【MEDICALホットニュース】 自殺者、8年連続で3万人を超える40代以下も著しく増加
昨年1年間に国内で自殺した人は3万2552人で、98年以来、横ばいの高止まり状態が続いている。男女別では、男性が2万3540人で全体の72.3%を占め、この傾向は以前から変わらない。 年齢別では、60歳以上が1万894人で全体の33.5%、次いで50歳代が7586人で23.3%と、50代以降が過半数を占めるが、前年よりわずかながら減少した。 一方で、40歳代以下の増加が目立つ。40歳代は2.1%増の5208人、30歳代が6.3%増の4606人、20歳代が5.0%増の3409人、19歳以下の少年も3.2%増の608人と続き、各年代で前年より著しく増加した。 また、原因・動機について遺書があった場合をみると、40歳代、50歳代は「経済・生活問題」がもっとも多いが、60歳以降は「健康問題」がトップだ。働き盛りには仕事上のストレスが大きくのしかかる一方、高齢社会の到来で、健康上の悩みから死を選ぶ人が増えている状況が浮き彫りになった。
(警察庁生活安全局地域課「平成17年度中における 自殺の概要資料」より一部改変)
自殺企図前の周囲への相談、医療機関受診は非常に少ない98年に自殺者が急増して3万人を超えて以来、一向に減らない状態について、専門家はどうみるのか。 厚生労働省の「自殺企図の実態と予防介入に関する研究」班で主任研究者を務めている東海大学医学部の保坂隆教授(精神医学)は次のように話す。 「1度目の自殺で亡くなる人の特徴として、自殺を図る前に周囲の人に相談したり、医療機関を受診することは非常に少ない。しかも、確実に死ねる手段を選んでいる。未遂に終わった人が再び自殺を図らないように周囲が見守ることも大切だが、自殺を図る前になんらかの手を打たないかぎり、自殺者の数を減らすことはむずかしい」 保坂教授らの調査では、自殺者のうち、何度目の自殺で亡くなったのかわかった人の89%は「1度目」の自殺企図だった。自殺を図る前に周囲に相談していた人は18%にとどまった。自殺者の大半が、周囲に自殺をほのめかすことなく、1度目の自殺で確実に命を絶つ覚悟を決めていることがわかる。 「心の安全週間」など、全国規模での啓発活動が必要どうしたら自殺を減らすことができるのか。 保坂教授らの調査結果にもあるように、1度目の自殺で亡くなる人が大半を占めることから、未遂者のケアをするだけでは自殺者は減らない。また、自殺をほのめかすような前ぶれもないため、家族や友人など周囲の人がはたせる役割はかぎられている。 さらに、うつ病は自殺のハイリスク要因とされるように、既遂者にはうつ病の人が多くみられた。うつ病を治療すれば、自殺を減らせるのではないか。 「うつ病はくすりの服用で治る精神疾患だが、うつ病に対する誤解や偏見から受診に結びつかないケースが少なくない。その意味で、精神科医は自殺予防に関してなす術をもたないといわざるを得ない」と保坂教授。 だからといって、今のままでよいということではない。 9月10日はWHO(世界保健機関)が呼びかける「世界自殺予防デー」だ。 「これを機会に、毎年春と秋に交通安全週間と同じように、『心の安全週間』を1〜2週間設けて、全国規模で啓発活動をすべきだ。それ以外に、自殺を予防する方法はない」と保坂教授は訴える。 また、6月には自殺対策基本法が国会で成立した。自殺を個人の問題と片づけるのではなく、社会全体で共有し、とりくまなければならない課題と位置づけたのが特徴だ。企業を含め社会全体で、心の健康・安全に関心をもち続けたい。 (記事提供:保健同人社)
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