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【MEDICALホットニュース】

「早い・噛まない」食習慣が肥満をつくる

 「早食いは太る」と昔からよくいわれてきたが、これが大人だけでなく、子どもにも当てはまることが実証された。「早食い」は子どもの頃からの習慣なので、大人になってからでは改善しにくいと考えられている。それだけに、子どもが「ゆっくり、よく噛んで食べる」ことの重要性を学習し、習慣として身につけることが、将来、肥満が招く生活習慣病予防に役立つと期待されている。

「早食い」の子どもほど肥満度が高い

イラスト

 小学生の肥満と生活習慣の関連性について実証したのは、財団法人ライオン歯科衛生研究所と東京歯科大学社会歯科学研究室の共同研究チームだ。同チームは、2001年に、サラリーマンについて「早食いは肥満のもと」であることを明らかにし、日本口腔衛生学会で発表したが、今回は、小学生についても「早食いと肥満に相関性がある」ことを実証し、2006年10月の同学会で報告した。

 調査対象は、沖縄県八重山地区の小学5年生、男子137名、女子119名の合計256名。身長、体重を測定するとともに、食生活についてのアンケートを実施し、食生活と肥満の関係を調べた。その結果、食べるのが早い子どもほど肥満度が高いことがわかったのだ。

 子ども(学童)の肥満度の指標にはローレル指数*がよく使われる。そのため、今回の調査でも、ローレル指数が肥満に関する指標としてもちいられた。ローレル指数は、数値が高いほど肥満度が高いことを表している。

 調査結果を見ると、対象となった子どものうち、ほかの子どもと比べて食べるのが「早い」と答えた子どものローレル指数は平均141だったのに対して、「遅い」と答えた子どもは平均125で、「早食い」の子どもほどローレル指数が高くなっている。

 また、「ひと口の量が多い」と答えた子どものローレル指数が平均139だったのに対して、「少ない」と答えた子どもは平均129で、「ひと口の量が多い」子どもほどローレル指数が高いことがわかった。

*ローレル指数=体重(kg)÷身長(cm)3×107


よく噛んで食べる習慣は、子どものうちに身につける

 今回の調査の結果、「早食いで、ひと口の量が多い」ほど肥満度が高いのは、大人も子どもも同じであることが明らかになった。また、ゆっくり噛んで食べているかどうかについても、「あまり噛まない」ほうが、大人も子どもも肥満度が高いことがわかっている。

 そこで、小学生を対象とした調査では、「噛むことの大切さ」についての健康教育プログラムを実施した。そして、市販のおにぎり1個を食べてもらい、プログラム実施前と実施3か月後で、「噛む回数」とローレル指数の変化を見た。

 その結果、プログラム実施前の噛む回数が平均198回だったのに対し、実施後は368回と平均170回増えていた。しかし、ローレル指数は、プログラム実施前と実施後ではあまり変化が見られなかった。食べ方は短期間で大きく変化するが、肥満度は短期間で改善することはむずかしいといえる。

 こうしたことから、研究チームは、「早食い」と「肥満」の関係の深さとともに、小学生の肥満対策として、子どもの頃から「食べ方」に関する健康教育を行う必要があると指摘している。

 子どものうちに、「早食い」「噛まない」「ひと口にたくさん食べる」習慣が身についてしまうと、大人になってからでは、なかなか改善がむずかしいといわれる。「ゆっくり、よく噛んで、少しずつ食べる」という健康教育は、子どもの肥満対策としてだけでなく、大人の生活習慣病予防の観点からも、普及が期待される。


図 早食いと肥満の関係

(ライオン歯科衛生研究所、東京歯科大学社会歯科学研究室「咀嚼と肥満の関連性に関する研究」より)

**BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 「暮しと健康」2007年1月号より

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