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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

安心・安全の野菜を探す


「有機栽培」って「農薬を使っていない」ってこと?

 スーパーマーケットや食料品店の陳列棚に並ぶ食品に、「有機栽培」といった表示を見かけたことはないでしょうか。この表示を目にしただけで、「栽培方法が通常とは違うのね」とありがたいような気持ちになったり、「安全だろうけど、そこまでこだわらなくても…」と、いろいろ複雑な思いが頭の中をかけめぐっているに違いありません。

 でも、「有機栽培」という言葉がどんな意味なのか、正確に知っていて区別できる人は、あまりいないのではないでしょうか。「農薬や化学肥料を使っていないらしい」と、漠然としたイメージをもっている方が圧倒的多数のはずです。

有機JASマーク
有機栽培と認定された野菜につけられる有機JASマーク。見たことがありますか?

 「“有機”農産物という表示ができるのは、JAS法で認定された事業者にかぎられています(図参照)。有機栽培とは、化学肥料や農薬の使用をさけることを基本として、土壌がもともともっている生産力を発揮させるとともに、環境への負荷をできるかぎり低減した栽培管理方法です」と話すのは、有機JAS認定制度において認証業務を行う登録認定機関の一つ、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)事務局長の倉又寛芳氏です。

 倉又氏によると、有機栽培と農薬を使用しない栽培の間には、決定的な違いがあるそうです。

 「有機という表示ができるのは、その田んぼや畑で種まきや植えつけの前2年以上の間、農薬や化学肥料を使用していないことを基本にしています。つまり、収穫したときからさかのぼれば、過去3年間、農薬や化学肥料を使っていないという厳しい規定があるのです」と倉又氏。

 一方、農薬を使用しない栽培というのは、それほど長期にわたる規定があるわけではありません。

 「農薬を使用しない栽培とは、化学肥料の使用に関しては何も触れられておらず、農産物の栽培において、種まきや苗の植えつけからその収穫までの間、その1サイクルだけ農薬を使用しない栽培のことです」と倉又氏は説明します。

 私たち一般消費者にとって、有機栽培と農薬を使用しない栽培のどちらが安全で安心かというと、大半の方は「農薬を使用しない栽培のほうが安全だ」と考えているのではないでしょうか。おそらく「農薬を使わない」=「農薬ゼロ」というわかりやすいイメージがあるのに対して、有機にはわかりにくさがつきまとうからでしょう。このように「有機栽培」と「農薬を使用しない栽培」には決定的な違いがあることは、知っておくと役に立つはずです(ミニ解説参照)。


図 有機JAS野菜のしくみ
イラスト
(1) 種まきより2年以上前から農薬・化学肥料を使っていない畑で栽培された野菜
イラスト イラスト
(2) 栽培の過程(生産行程)に一定の基準があり、いつ何をしたか、記録を残して栽培される
イラスト
(3) 認定事業者は、毎年1回JAS認定を更新するために栽培履歴や畑、施設のチェックを受けなければならない
イラスト
(4) 登録認定団体によって認定された農家(事業者)がつくった野菜だけが「有機○○」 「有機栽培」 「オーガニック」と表示できる

ミニ解説●JASって何?

 日本農林規格を英訳すると、Japanese Agricultural Standardとなります。この頭文字をとった略称がJASです。現在は、「農林物資の規格化および品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)に基づいた制度全体を表す言葉として、JASが使われています。個々の物資についての日本農林規格は、JAS規格と呼ばれています。

「暮しと健康」2007年2月号より

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