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暮らしと健康コラム with J-Health 保健同人社


【暮らしと健康特集】

安心・安全の野菜を探す


食品の安全を守る主役は消費者以外にない

 農林水産省の発表によれば、平成16年度の有機農産物は、国産農産物全体の0.16%にすぎないそうです。625本の大根が並んでいるなかに、たった1本、有機JAS認定を受けたものがあるという計算ですから、ふだんの買い物で見つけるのは至難の業といえるでしょう。

 では、この数字ほどに有機栽培をしている生産者は少ないということなのでしょうか。

 「実際には、有機認定を受けた生産者と同様に有機的栽培をしている生産者は少なくないと思います。申請にかかる手間や費用を考えると、わざわざ申請する必要はないという人もいます」と倉又氏は話しています。つまり、有機JASマークだけでなく、ほかにも安全で安心な生産物はたくさんあるわけです。なかでも、有機栽培を行っている生産者の安全・安心に対するとりくみは広がりを見せ、次の世代、さらに次の世代と、長期にわたる環境にまで配慮したものになっているそうです。

 では、私たち消費者はどうでしょうか。有機栽培の農産物は、農薬を使わないがために虫食いの被害にあうことがあります。すると、消費者は、「葉に穴があいているから」という理由で、見栄えのよい商品のほうに手を伸ばします。これでは、安全・安心を望んでいる声とは相反します。

 「一般消費者が安全・安心という場合、どのくらいの範囲の安全・安心を考えているでしょうか。もしかしたら、自分の家族が安全であれば…という方が少なくないのではないでしょうか」と倉又氏は疑問を投げかけます。それだけ、私たち消費者の「安全・安心」を期待する気持ちは限定的で、しかも、気持ちの基準は揺らぎやすいものなのです。

 「有機栽培のように、安全で安心な生産物を期待するのなら、消費者の側も、もっとものを見分ける努力が必要だと思います。有機栽培は生産者がするもの、つまり、安全・安心は生産者に提供してもらい、自分たちはつねに守ってもらう立場というのでなく、何が安全で安心なのか知ろうとすることによって、消費者自身が安全で安心なものを守る主役になることが大切だと思います」と倉又氏は強調しています。

 これを機会に、日々目にし、口に入れる食品に、もう少し関心をもってみませんか。


ミニ解説●有機JASマークって何?

 有機JAS認定の対象となるのは、有機農産物、有機畜産物、有機飼料、有機加工食品の生産、製造などを行う事業者で、認定を受けた事業者のつくったものだけが有機JASマークをつけることができます。
 このマークがつけられた食品は、生産から最終パッケージにいたるまで、すべて有機的に生産・管理されていることが検査・確認された商品です。そのため、生産方法、施設、使用資材、原材料、生産量、流通量、とり扱い者、使用機材などが特定できなければなりません。

「暮しと健康」2007年2月号より

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