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花粉症予防に、現在の治療法より少量で効き、副作用も少なく抑えることが期待できる新ワクチンを理化学研究所が開発した。細菌の働きを借り、アレルギーを抑制する仕組み。5年ほど後の実用化を目指している。
現在の治療法である減感作療法は、スギ花粉エキスを注射して体の免疫細胞に働きかけ、アレルギーを抑える物質を分泌させる。急なアレルギーの副作用が起きないように、注射はエキスの濃度を少しずつ高めながら、3年ほどかけて50回以上打つ必要があることなどから、あまり普及していない。
理研の免疫・アレルギー科学総合研究センターの阪口雅弘チームリーダーらはこの療法に工夫を加え、エキスに含まれるスギ花粉のたんぱくに、細菌のDNA断片を結合させたワクチンを開発した。人間の免疫細胞はこのDNAを検知すると、アレルギーを抑える物質を分泌する。
米国でブタクサ花粉を使った同様のワクチンの臨床試験が進んでおり、その効果から、スギ花粉の新ワクチンは減感作療法の1割程度にあたる約6回の注射で十分な効果があることが推測されている。
このDNA断片は、鼻や目の粘膜にある肥満細胞とスギ花粉たんぱくが結びつくのをじゃまし、アレルギーを起こすヒスタミンなどを分泌しにくくする効果があることもわかった。人間の血清を使った試験では副作用が減感作療法の50分の1に減る可能性があることが確認された。現在、マウスを使った実験が進められ、アレルギーを抑える物質の働きが上がることが確認された。08年には患者を対象に臨床試験を始めたいという。
花粉症が激増した背景には、細菌のいない清潔な環境の広まりがあるとされる。発症の予防や治療法の開発をめざす最近の研究では、乳酸菌など細菌の力を利用するものが多い。理研も他に、結核のワクチンであるBCG接種で花粉症を抑える研究を進めている。
(2005/02/16)
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