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2012年11月12日

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「医療のメイドインジャパンへの展望を探る」シンポジウム

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写真:三村申吾・青森県知事拡大三村申吾・青森県知事

写真:加藤益弘・アストラゼネカ会長拡大加藤益弘・アストラゼネカ会長

写真:草場鉄周・北海道家庭医療学センター理事長拡大草場鉄周・北海道家庭医療学センター理事長

写真:阪本雄一郎・佐賀大附属病院救命救急センター長拡大阪本雄一郎・佐賀大附属病院救命救急センター長

写真:徳田安春・筑波大付属病院水戸地域医療教育センター教授拡大徳田安春・筑波大付属病院水戸地域医療教育センター教授

写真:林恭広・祐ホームクリニック院長拡大林恭広・祐ホームクリニック院長

写真:平方眞・愛和病院副院長拡大平方眞・愛和病院副院長

 世界で最も早く「超」高齢社会を迎えた日本。税や社会保障など、我々の生活に直結する数多くの問題をどう解決していくか。現代を生きる我々に与えられた大きな課題です。

 中でも医療は、もっとも大きく影響を受ける分野の一つ。誰もが安心して上質な医療を受けられるという意味で、世界トップクラスを誇る日本の医療制度ですが、今の水準を維持していくには様々な困難が予想されます。

 では、どうすればいいのか。そのヒントを考えようというシンポジウムが10月23日、東京都内で開かれました。

 医療機器メーカー「GEヘルスケア・ジャパン」の30周年記念も兼ねたイベント。「医療のメイドインジャパンへの展望を探る」をテーマに、医療現場が抱える今の課題と将来の可能性について、様々な意見が交わされました。

◇       ◇

 初めに壇上に立ったのは、三村申吾・青森県知事。青森県は「飲みたいだけ飲んで食いたいだけ食って、ほんとに人生楽しんでる」県民性だという。一方で、「人口減少が進む中で、さらに高齢化率も全国水準を上回る速さで上昇を続け、二十数年後には40%に迫る」「医師不足も深刻」と課題を挙げた。

 また、医療機器を積んだ小型の巡回診療車が東通村で導入された事例を挙げ、「『元気ですカー』という愛称で住民の方に親しまれています」と紹介した。

 続いて講演した加藤益弘・アストラゼネカ会長は、「1980年からの20年間で1人あたりの医療費は約2200ドル増えたが、一方で約47万人の命を救った」とする米国の調査を紹介。「医療への投資は、目の前のコストは上がっても、全体的な経済効果、そして健康上の効果は大きい」と訴えた。

 また、「日本の研究の力というのは世界でもいまだにトップレベル」と述べ、「産官学の協力で健全な高齢化社会を支え、日本発の薬を世界に届けるなどの貢献を続けていけば、日本は生命関連研究の世界的な中心になれるはず」とした。

◇       ◇

 続いて行われたパネルディスカッションでは、「プライマリ・ケアへの期待と展望」をテーマに、活発な意見が交わされた。

 草場鉄周・北海道家庭医療学センター理事長は、地域医療を担う「家庭医」が目指すポイントとして

(1)診療能力を、幅広さを持ちながら質を高く維持
(2)患者さん一人ひとりに合わせたテーラーメード、オーダーメードの医療の提供
(3)住んでいる地域に合った医療のあり方を構築する

の3点を提案。

「日本の高いレベルの病院医療に対する期待が強いのは事実だが、診療所のレベルも決して低くないことをアピールしていかなければならない」と訴えた。

 阪本雄一郎・佐賀大附属病院救命救急センター長は「特に地方では、情熱を持った限られた数名の医師で救急医療が支えられている、いう実態がある」と問題を提起。「ドクターヘリやICT(情報通信技術)も活用して、医師がいない地域をどうやってカバーするかを考えなければならない」と話した。

 また、佐賀県で救急車にiPadを取り入れて注目を集めた例を挙げ、「とにかく地方に目を向けてもらうためには、何かみんなが喜んでもらうようなことをやらなきゃいけない」とした。

 「大学の臨床医学教育現場では、三拍子そろった医師の養成を目指している」と話したのは、徳田安春・筑波大付属病院水戸地域医療教育センター教授。理想の医師像は「病院でも活躍でき、診療所の診療にも対応し、在宅医療もできること」とし、大学教育を変えていく必要があると訴えた。

 「世界の様々な地域で活躍できるのは、分業が進んだ米国型ではなく、日本型のゼネラリストの医師。世界に発信することができれば、世界中で通用するすばらしいモデルになる」とした。

 林恭広・祐ホームクリニック院長は、「患者が増え、高齢者が増え、病気が増え、医療を要する方が増えている。しかも医療の進歩で延命治療が可能となり、寝たきりになってから長生きされる方も増えている。どんどん日本の医療が圧迫されている」と、医療現場の現状を紹介した。

 解決策として、在宅医療に誘導していこうとしている国の施策を挙げ、会場の医学生には「まずは病院に入って働く方が多いですが、5年後、10年後に『在宅というのもあるんだな』ということを思い出してほしい」とアピールした。

 「1960年代までは、医療をほとんど受けずに自宅で自然に亡くなっていくことが当たり前だった」と話したのは、長野市で緩和ケア医療に取り組んでいる平方眞・愛和病院副院長。

 「患者や家族が『医療にかかっていれば、どこまででも生きるだろう』などと思っていたら、医療者は消耗してしまう。人の命は終わっていくんだということを生活の中に意識として取り戻し、看取りの文化を日本に根付かせることができればいい」と訴えた。

【お知らせ】
GEヘルスケア・ジャパン株式会社のホームページでは、創業30周年記念シンポジウム「医療のメイドインジャパンへの展望を探る」の模様を動画で視聴できます。

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