|
放射線治療が有効とされる子宮頸(けい)がんや食道がんでは、適切な機器を使えるかどうかや機器の性能によって生存率に最大で約3倍の格差があることが、厚生労働省の研究班(班長=手島昭樹・大阪大教授)の調査で分かった。予算不足で病院側が十分に機器を備えていない例が少なくないという。
研究班は放射線治療をする約700病院から75施設を選び、95〜97年に放射線治療を受けた患者の治療成績を調べた。
進行した子宮頸がんの場合は手術をせず、子宮内に入れた管から放射線で治療する「腔(くう)内照射」をすることが多い。この治療を受けた患者の5年後の生存率は進行度3期で64%、より進んだ4期で38%。一方、機器がないなどの理由で受けていない患者だとそれぞれ23%、13%だった。腔内照射をするには、1億円前後する専用機器が必要になる。
体の奥にできる食道がんでは、エネルギーの高い放射線機器で治療を受けた患者の3年生存率は、3期で18%。低エネルギーの機器だと5%だった。最近は1台で高低のエネルギーを選べる機器が出ており、価格は2億〜3億円ほど。放射線が外部に漏れないようにする工事費も必要になる。
手島教授は「放射線治療の対象となるがん患者は増え続けている。より適切な治療ができるよう、病院や行政は装置の充実に向けて努力するべきだ」と話す。
(2004/04/22)
|