札幌市の歯科医院でNPO法人のアンケートに答えた患者の診察料が無料となっている問題で、北海道厚生局は8日、この仕組みが「患者本人が診察料の一部を自己負担しなければならない」とする健康保険法に違反するとして、歯科医院を開設する医療法人に対し、文書で改善を指導した。同時に、是正に向けた改善計画書の提出も求めた。厚生労働省によると、このような「無料診察」への行政指導は異例。改善指導に応じない場合には、保険医の指定が取り消される可能性もある。
問題の歯科医院とNPO法人は、札幌市中央区の同じフロアに所在。NPOの会員は歯科医院で受診後、NPOのアンケートに答えて診療代と同額の「労務料」を受け取り、それを歯科医院の窓口で支払うことで、実質的に無料となる。会員には、健康保険証があり、年収520万円以下であれば、誰でもなれる。
NPO法人によると、アンケートの質問は数問程度で、最近半年間での歯科受診の有無や、医療費の一部自己負担金割合といった内容。「労務料」の原資は、アンケートの調査受託料などをあてているという。
NPOは医療・介護サービスを受ける人を支援する目的で05年に設立され、歯科医院は08年7月に開業した。違法とされたシステムも開業と同時に始まり、延べ3千人が無料診察を受けたという。
NPO法人の理事長は「改善指導については内容を見て検討するが、弱者救済が目的なので、今の仕組みをやめるつもりはない」と話した。