計測システムに取り付けられている3次元カメラと佐藤幸男さん=名古屋市中区、松永写す
腹部の形状や体積などを測定する様子(日本ライトサービス提供)
大学の研究活動から生まれた名古屋市中区のベンチャー企業が、小型で軽量の特殊カメラを使い、腹囲などの形状を瞬時に3次元計測できるシステムを開発した。4月から義務化されたメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の検診にも役立つという。
04年当時、名古屋工業大学大学院工学研究科の教授だった佐藤幸男さん(56)=現・慶応義塾大教授=が設立した「スペースビジョン」社が、開発を手がけた。
会社設立は、3次元計測の技術が科学技術振興機構の「プレベンチャー事業」に選ばれたのがきっかけ。翌年、手持ちビデオカメラぐらいのサイズで重さ約560グラムの3次元カメラを市場に送り出した。電荷結合素子(CCD)カメラとレーザーで構成したり、センサーをICチップ化したりして、画像表示までの時間の短縮や軽量化などにつなげたという。
以前は3次元画像を表示するのに5分近くかかっていたが、体の前後に配置した2台の3次元カメラを使う同社の腹囲形状計測システムは、腹部の形状や体積などをわずか0.5秒で正確に測定。3次元データは接続したパソコンに取り込み、一瞬にして自分の体形を確認できる。体のゆがみや重心の位置なども計測でき、ほかに顔の認証、服やメガネなどのオーダーメードにも応用できる。
男性は85センチ、女性は90センチ以上の腹囲だとメタボ予備軍とされ、男性の場合は2人に1人の割合で該当するとみられている。その計測には今まで主にメジャーが使われ、誤差が生じる可能性もあった。
佐藤さんは「将来的には3次元形状計測から内臓脂肪面積の推計も可能になる。医療、健康分野で名古屋発の技術として世界に発信していきたい」と話す。
計測システムは1台350万円。設置や移動も簡単なことから、愛知県大府市の「あいち健康の森」などの健康施設、病院などがすでに試験的に導入している。(松永佳伸)