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京大、iPS特許活用で新会社設立へ 金融3社が出資

2008年5月16日

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 京都大は16日、山中伸弥教授らが開発した万能細胞(iPS細胞)の特許活用を目的とした会社を設立すると発表した。大和証券グループ本社と三井住友銀行、両系列のベンチャーキャピタルの3社から計約2億円の出資を得て設立することで合意した。出資総額は1〜2年で約12億円に増やす。6月をめどに事業を本格化、万能細胞の応用研究の加速を目指す。

 さまざまな臓器の細胞になりうるiPS細胞は、再生医療などへの応用が期待されるが、特許取得競争が激しく繰り広げられているとみられ、特許の管理・活用が課題になっている。国際特許の出願手続きは煩雑であるうえ、治療法の開発などには国内外の特許を戦略的に組み合わせる必要がある。

 このため、専門的な知識を持った弁理士や弁護士などを集めるための資金も含め、迅速な対応を迫られていた京大が会社の設立を計画した。「多額の資金は出しても口は出さない」といった形で企業と大学が知的財産権管理専門の会社を作った例は珍しい。文部科学省はそういった例は把握していないという。

 新会社は、京大のiPS細胞関連の特許を独占的に使用する権利をもち、希望する企業とライセンス契約を結ぶ。将来は、共同研究をしている他大学などの特許の管理窓口としても活用してもらいたいとしている。

 京大側は今月初め、新会社設立準備のための中間法人を登記した。6月に「知的財産権管理・活用会社」が設立された後は、新会社が出資を受ける。金融3社には議決権はなく、京大側が中間法人を通して新会社の運営で主導権を握るという。

 会見には、京都大の尾池和夫総長、大和証券グループ本社の鈴木茂晴社長、三井住友銀行の奥正之頭取らが出席。尾池総長は「iPS細胞を使った再生治療を一日も早く実現するため、3社の厚意を受け検討を重ねてきた」と経緯を語った。金融3社は「すぐに収益が上がるものではないが、社会貢献の観点からお役に立ちたい」と話した。(佐藤久恵、竹石涼子)

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