1998年に国内で初めて肺移植を成功させた岡山大学病院(岡山市北区)が11月12日、全国の医療機関に先駆けて100例目に達した。
肺は心臓や肝臓など他の臓器移植に比べて術後の5年生存率が低いとされる。全国平均は70%台だが同病院では80%台。同病院の肺移植チームを率いる大藤剛宏医師(45)は「もらった肺で初めて呼吸するときが一番つらい。乗り越えるには医師と患者の信頼関係が重要」と話す。肺移植を希望する患者は症状によっては移動が難しいため、全国どこへでも往診に赴く。これまで北海道から沖縄まで50以上の都市を回り、術前、術後を手厚くケアしてきた。大藤医師は難手術にも「提供者の思いを尊重し、いただいた肺を最大限生かして患者の命を救いたい」との思いで臨む。
今夏、同病院で肺移植を受けた40代男性は「これからは肺を提供してくださった方と共に成長していきたい」と、そっと胸に手を当てた。