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認知症高齢者グループホーム、500自治体新設見送り

2006年06月23日06時15分

 認知症ケアの中心を担う認知症高齢者のグループホームについて、500を超す市区町村が今後3年間、新設しない計画を定めていることが、朝日新聞社の都道府県アンケートでわかった。6年間で8000カ所と急増してきたグループホームだが、介護保険財政への影響などを理由に、新設にブレーキがかかった形だ。4月からの改正介護保険制度で始まった認知症向けの「小規模多機能サービス」も、500近い自治体で導入が見送られた。認知症患者が急増するなか、その対策は岐路に立たされている。

 アンケートには39都道府県が回答。その1492市区町村のうち、3分の1を超える544が、新設しないことができる計画値を設けていた。都道府県別では、高齢者人口あたりのグループホームの定員数(整備率)が高い県に新設を控える自治体が目立った。

 整備率全国2位の青森県は半数の26市町村で計画上、新設しない数値だった。同3位の愛媛県も半数を超えた。整備率トップの長崎県は4市町だったが、県が3年間の「新設凍結」を要請し「全市町村で具体的な新設の予定はない」(県長寿社会課)という。

 主な理由を都道府県に尋ねたところ「介護保険財政の圧迫」「65歳以上の保険料の高騰」など財政面と「必要な数を見込んだ」との答えが多かった。介護保険は3年間の事業計画をもとに保険料を決めるため、グループホームなどが計画以上に増えると保険財政に響く。実際、今春改定された保険料でみると、青森は県内の平均額が全国3位、長崎は4位だった。

 逆に、整備率が低い東京、神奈川、千葉、兵庫など大都市圏には、グループホームを増やす自治体が多く、地域間ギャップも浮き彫りになった。

 一方、小規模多機能サービスの導入を見送るのは483市区町村だった。通所介護を中心に訪問介護を受けたり泊まったりできるサービスで、認知症在宅ケアの新たな柱とされたが、「新規サービスのため、事業の見通しを立てるのが難しい」(神奈川県)などの声が上がった。

 調査は都道府県を通じ、05年度末の市区町村ごとのグループホームのベッド数と、06〜08年度の介護保険事業計画で定めた「必要利用定員総数」を尋ねた。「総数」は今回の制度改正で導入され、市区町村が設定できるようになった。実際のベッド数がこの数に達している場合などには、事業者が新設を申請しても市区町村が指定を拒否できる。

 調査結果について、認知症の人と家族の会(旧呆(ぼ)け老人をかかえる家族の会)の高見国生代表理事は「家族の立場からするとグループホームはまだ足りないのが実感」と指摘。「大事なのは質が良くて安心できるサービスで、数値が『足りているから』とつくらないのでは困る」と話している。

 《グループホームと認知症高齢者》 グループホームは、5〜9人が個室つきの家庭的な雰囲気で、なじみの職員の介護を受けて暮らすことで症状が改善するといわれ、急速に普及した。利用者負担は、食住費に介護保険の1割負担などを含め全国平均月約11万円。特別養護老人ホーム(特養)の相部屋(4万〜5万円程度)より高い。厚労省の02年の推計では、介護や支援が必要な認知症高齢者149万人の居場所は、自宅73万人▽特養27万人▽老人保健施設20万人▽介護療養型医療施設10万人▽グループホームや精神病院など19万人――だった。グループホームはその後急増している。



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