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卵子凍結保存の仕組み |
がんの治療を受ける未婚女性の卵子を凍結保存し、将来の体外受精に備える試みを民間の9不妊治療施設が計画していることが分かった。実施申請を受け、日本産科婦人科学会(日産婦)も検討を始めた。若い女性のがん患者増加を背景に、患者の妊娠機能を温存する研究に関心が高まっており、対象を未婚者にも広げようという動きだ。多施設による本格的取り組みは、世界でも珍しい。
臨床研究として計画を申請したのは国内約130の不妊治療施設でつくる「A―PART日本支部」(支部長=宇津宮隆史セント・ルカ産婦人科院長)。このうち、北海道や関東、九州などの9施設が参加する。
計画では、白血病や悪性リンパ腫など、血液のがんと診断された15歳以上の未婚女性の卵子を凍結保存する。治療後の将来、パートナーが現れた時点で卵子を解凍、体外受精での妊娠率などを調べる。患者が未成年の場合は親の同意も求める。
日産婦は現行の指針(会告)で、夫婦には卵子凍結を認めており、既婚の女性がん患者には従来も卵子保存の道があった。半面、未婚女性の妊娠機能温存に関しては考慮されていなかった。
日産婦は21日の専門小委員会で計画を検討、さらに年明けには倫理委員会でも議論する予定だ。
抗がん剤や放射線によるがん治療は正常な細胞や組織も傷つけやすく、がん治療を受けた女性の約6割が排卵が不規則になったりなくなったりする卵巣機能不全になったとの報告がある。治療前に卵子を保存しておけば、将来の妊娠率を高められる可能性がある。
ただ、採卵のために一時、がん治療を止める必要があり、採卵の負担ががん治療に悪影響を及ぼす恐れも指摘されている。治療後に凍結卵子を使って出産した例は世界的にも知られていない。
日産婦倫理委員長の吉村泰典・慶応大教授は「今がんにかかっている患者さんにとっては一刻を争う重要なこと。問題点をきちんと説明する仕組みさえ整えば、できるだけ早く承認すべきだと考えている」と言う。
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〈キーワード:卵子凍結〉 通常は体外受精のために採卵したものの、夫の精子が採取できなかった場合などに、卵子を無駄にせず保存する目的で使われる。最近は、自分の卵子を若いうちに採取・保存し、将来の妊娠に備える技術として注目を集めている。
凍結卵子を使った体外受精による出産は86年、オーストラリアで最初に報告された。だが、卵子は凍結すると壊れやすく、通常の不妊治療では精子と合体させた受精卵にしてから凍結保存する例が大半を占めている。