
政府は9日、新型インフルエンザの関係省庁対策会議を開いた。国外で発生した場合を想定し、発生国で帰国を希望する在留邦人すべてを早期に帰国させる対策案を決めた。外国人の入国制限を厳しくする一方、現地で発症の疑いがある日本人の帰国を拒否するなど水際対策を強化する内容も盛り込んだ。
対策案は、この日あった与党プロジェクトチーム(PT)でも大筋で了承された。案では、新型インフルエンザが、小さい集団の中で人から人に感染する「フェーズ4」を想定。例えば、日本との直行便がある主要都市で発生した場合、その地域から順次定期便の運航自粛を要請していく。帰国を希望する在外邦人について、感染していないことを確認したうえで、すみやかに帰国させる。
定期便が不足した際、民間に臨時便を要請するほか、政府専用機や自衛隊、海上保安庁の航空機や船を活用する。
感染した疑いのある邦人には、在外公館が現地の医療機関を探すとともに治療薬を渡すことも検討。ただし、帰国は認めず、「機内で感染させる恐れがある」として航空会社にも搭乗拒否を求めた。
入国審査では健康状態や発生国への渡航歴の有無などを確認。発生国からの航空機と船舶の受け入れは4空港(成田、関西、中部、福岡)、3海港(横浜、神戸、関門)に限る。一方、発生時は入国者の急増で検疫や上陸審査の手続きの遅れなどが予想されることから、外国人については感染の有無が確認できない場合、ビザを発給しない。
発生が懸念されるアジア全体の邦人は約30万人。内閣府の担当者は「中国で発生しても10万人以上いる邦人が一度に帰るとは考えていない。感染可能性の低い地域から定期便で早期に帰国させ、発生地域はチャーター機で戻すなどして対応したい」と話す。
政府は今後、医療専門家などから意見を聴き、7月をめどに、新型インフルエンザ行動計画やガイドラインに反映させる。