国内製薬首位の武田薬品工業は10日、がん治療を得意とする米バイオ企業のミレニアム・ファーマシューティカルズ(マサチューセッツ州)を株式公開買い付け(TOB)で買収する、と発表した。買収総額は約88億ドル(約8800億円)で、国内製薬会社による買収では過去最大だ。
ミレニアムは米ナスダックに上場している。TOB価格は1株25ドルで、直近の終値に53%上乗せした。買収資金は、武田の手持ち資金で賄う。
国内製薬大手は、患者人口が多い糖尿病や高血圧、かいようなどの治療薬の研究開発と販売を主力に据えてきた。しかし、これらの治療薬で効き目を高めるのは難しいため、最近はがん治療薬へ力を入れている。ただ、がん治療薬は世界的に競争が激しい。
武田も昨年以降、米国の複数のバイオ企業から、がん治療薬の新薬候補などを買い取ってきた。ミレニアムはがん治療薬候補を五つ持ち、買収によって武田の開発品目は10以上に増える。
ミレニアムは93年創立。がん治療薬の研究開発にほぼ特化し、07年12月期の売上高は骨髄がん治療薬などで約530億円。当期利益約15億円だった。武田はミレニアムを100%子会社にするが、経営陣は交代しない方針だ。