外国人への生体腎移植禁止 フィリピン方針転換2008年04月29日 【マニラ=木村文】フィリピンのドゥケ保健相は29日、外国人への生体臓器移植を原則禁止する方針を発表した。同国では非血縁者からの生体腎移植が腎移植全体の6割以上を占め、受け手の大半が日本人を含む外国人患者。外国人への腎移植が臓器売買を助長していると認定した形だ。 保健相は「中国なども同様の規制をしている」と述べ、禁止は国際的な潮流とした。ただ法制化はせずに、行政命令にとどめるという。 外国人への腎移植は、行政命令で全体の10%に制限していたが守られず、06年には690件の腎移植の63%にもなった。日本人患者も多く、日本の厚生労働省研究班の調査では、06年に海外での移植が判明した198人のうち、比での手術は、中国(106人)に次いで多い30人だった。 高い需要に応じようと、国内では悪質な仲介者による臓器売買が横行。一方で、非血縁者へ腎臓を提供する人(ドナー)に、民間支援団体を通じて謝礼を支払うのは合法で、「売買」と「謝礼」の区別がきわめてあいまいになっている。このため闇取引以外に、経済的理由から合法的に腎臓を提供する貧困層のドナーも後を絶たず、事実上の臓器売買と批判が出ていた。今回の禁止は、売買と謝礼の両方の道を閉ざすことになる。 比保健省はこれまで、外国人患者の受け入れと、謝礼制度を支持してきた。「謝礼を認めることで、貧しいドナーを闇取引や搾取から守る」と主張。3月に発表した行政命令でも、制限付きながら外国人への腎移植を認めていた。だがアロヨ大統領の指示で2週間前に禁止が決まり、突然の方針転換となったという。
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