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「来るな」「行けない」 新型インフルに各地で過剰反応

2009年5月29日

 新型の豚インフルエンザに対する「過剰反応」が、各地で起きている。高校野球や結婚式、病院の見舞いに行政マンの出張……。警戒心が度を過ぎたのか、集団感染が確認された関西が狙い撃ちされ、被害が目立ち始めた。

 ■高校野球

 「こちらにお越し頂くのはご遠慮願いたいと、うちの理事長が申してまして……」

 大阪府内のある高校の野球部監督は、受話器を手に耳を疑った。北陸の私立高校から、遠征試合を断られたのだ。兵庫県内での感染が、高校の部活動を通じて広がったと報道された影響らしい。

 試合は、来月中旬に北陸の相手校側のグラウンドで予定されていた。10年来の交流があり、選手らは先方の施設に宿泊させてもらうはずだった。監督の高校では生徒が感染したものの全快し、25日には元気に登校した。

 「野球部内での感染はなく、もし危険性があれば当然辞退するなり、生徒を残すなりして対処する。大阪への遠征を控えるというならまだしも、まさか来るなとは……。約25年の監督生活で初めての経験だ」と頭を抱える。

 夏の大阪大会を控え、6月は他府県の強豪校への遠征試合を組んだが、北陸の別の高校からも「待ってほしい」と注文がついた。監督は「事態は沈静化しつつある。冷静に対応してほしい」と話す。

 ■結婚式

 新郎の転職先に近い神戸で30日に結婚式を挙げる関東出身のカップルは、出席者のキャンセル続出に焦りを隠せない。

 「職場の上司に相談したら行かない方がいいって……。悪いけど行けない」

 今月中旬、千葉に住む親友からの電話で、兵庫県加古川市の新婦(28)は動揺した。

 「何で? 私たちはかかってないよ。1日や2日滞在したって感染するわけないよ。あれほど楽しみだって言ってくれてたじゃない!」。新婦は必死に説得したが、友人は聞く耳を持たなかった。

 数日後、別の東京の親友からも欠席の電話が入った。保育園で働いており、園から「神戸から戻ったら、潜伏期間の1週間は職場に来られない」とくぎを刺された。

 会社員の新郎(28)は「タイミングが悪すぎる。しょうがない」と平静を装ったが、その後、自分の親族2人から欠席の連絡が。1人は「会社の管理職の立場であり、控えたい」と釈明したという。

 当初は東京・銀座の式場を仮予約していたが、港町・神戸の魅力にひかれ、変更した経緯がある。招待者34人は親しい人ばかりだ。「土壇場でまた欠席者が出たらどうしよう。一生に一度の晴れの日なのに。もう祈るしかない」。2人は不安を募らせる。

 ■病院

 昭和大学病院(東京都品川区)は18〜22日、玄関などに神戸市、兵庫県芦屋市と大阪府豊中、吹田、茨木の3市の名を挙げ、「7日以内に行かれた方のご面会はご遠慮下さい」と書いた張り紙を掲示した。その後、「やりすぎ」との指摘を受け、「7日以内に新型インフルエンザの蔓延(まんえん)している国、地域に滞在された方は」と表現を改めた。

 同病院管理課は「重症患者を抱える院内での感染を避けたい思いが強かったが、言葉足らずだった」と反省する。

 北海道北見市は、18〜21日に大阪市などに出張した職員3人に、出張の翌日から6日間、特別の有給休暇をとるよう指示した。3人は市議の視察に同行。「ウイルスの潜伏期間を想定し念には念を入れ」て休ませたという。(机美鈴、関根和弘)

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