
新型インフルエンザの流行で最初に影響を受けるのは、子どもたちだ。幼稚園から大学まで、あらゆる学校が休校になるからだ。
今の法律では休校を決めるのは都道府県や市区町村の教育委員会。従来のインフルエンザだと児童・生徒がある程度休んだ時点で休校になる。だが、だれにも免疫がない「新型」では、学校に患者が出ていなくても休校になる。文部科学省が年内改定を目指している行動計画案では、休校は「周辺地域で患者が発生した場合」。「周辺」が県か市かといった判断基準も示す予定という。
20世紀初めの新型インフルエンザ「スペイン風邪」では、約3年で当時の日本の人口の半数近くが感染し、約39万人が死んだ。こうした先例に基づく厚生労働省の試算では、今回は国内で最悪64万人が死ぬという。交通網の発達で拡大は早いかもしれない。
医師資格を持つ文科省の高山研・専門官も「個人的には、ある県に患者が出れば、周りの県も学校を閉めた方がいいと思う」という。
学校を閉めると、感染は本当に抑えられるのだろうか。
三菱総合研究所の義澤宣明・主任研究員がJR中央線沿いの5都市約8800人を想定して千葉大や国立感染症研究所などと実施したシミュレーションがある。東京駅で10人が発病すると、6週間後には八王子、立川、吉祥寺とも感染者は数百人に。患者の過半数は、3、4週目からは学校で感染していた。
4週目から学校を閉めると、感染者は激減する。
「鉄道を止めるのも最初は拡大防止に役立つが、感染が始まってからは学校を閉める方が効果が大きい」という。
休校が1〜3月に重なる場合を考え、文科省は「入試の延期」も検討中だ。
子どもをどう守るか。
義澤さんは「感染が始まったら家から出さない。塾もおけいこも中断し、友だちとの外遊びもダメ。だから、子どものストレスをどう発散させるかが課題になる。塾や学校では、ファクスやメールなどで教育をどう継続させるのか、今のうちに考えておくといい」といっている。