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うのみにできない 県民共済の商品案内

2008年7月15日

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 1回目で、宣伝文句をそのまま受け取れない話について書きました。今回もその類の話です。「都道府県民共済」(以下、県民共済)をご存じでしょうか。掛け金の安さが魅力的な商品ですが、商品の説明に違和感を覚えるところがあります。

「保障内容の案内」によると、月2000円の「総合保障2型」という保険では、もっとも高額な保障額は「1000万円」とあります。が、これは、「死亡時・交通事故の場合」。実は死亡保障は理由によって細かく分かれていて、ほかに「不慮の事故による死亡」では780万円、そして「病気による死亡」では400万円とあります。

 よく見ると、死亡以外の入院や通院、後遺障害への保障でも、「交通事故」「不慮の事故」「病気」で保障額が違っていて、しかも上からこの順番に金額が書かれています。これが問題だと思います。人は当然上に書いてある方、そして金額の大きい方に目がいきますが、「交通事故」が死因に占める割合は、1%弱であり、「不慮の事故」にしても3%に達していません。一方で、「病死」は90%を超えるのです(統計局、死因別死亡率2004年より)。

 そもそも「交通事故」の保障は、基本的に「自動車保険」でカバーされるはずです。また、一般的にお客様は、それが限定的な事例であっても「大きな保障額」と「安い保険料」を記憶してしまいがちです。ここはやはり、現実に「支払事由」として最も多く、かつお客様にとっても大事なはずである「病気」のときの保障をメインに表記し、他は小さく付記する程度が望ましいでしょう。

 商品自体は悪くありません。私は、10数社の保険会社の商品を扱う代理店に所属しています。ですが、「大型の保障」「老後の手厚い保障」にこだわらない方には「県民共済」が適していると思っています。やはり魅力は、掛け金の安さです。

 たとえば先ほどの「総合保障2型」という商品。病気で死亡した場合に400万円が、入院した場合には、1日4500円の保険金が5日目から124日目まで支払われるというものです。ある大手保険会社で、ほぼ同じ内容の保障を30歳男性が持つ場合、掛け金は月々3000円弱になりますが、「県民共済」では18歳から60歳まで一律2000円です。

 さらに、平成18年度の「決算の概況」によると「剰余金」の9割近くが、加入者へ払い戻しされていて、先の「総合保障型」の払い戻し率は34.65%ですから、実質的な掛け金の負担は1307円になるのです。

 初期投資がかさむ新規参入組は別として、大半の保険会社が、毎年、決算期に「剰余金」を計上していますが、年間保険料が10万円の商品に加入していたら、年末に3万4650円が払い戻しされるような話など聞いたことがありません。詳しい事情はわかりませんが、事業運営に対する「志」が根本的に違うのだろう、と感じます。

 それだけに、商品説明の案内の書き方は残念に思います。改善を望みます。

筆者プロフィール

後田亨(うしろだ・とおる)

1959年、長崎県生まれ。長崎大学経済学部卒業後、アパレル・メーカー勤務を経て、日本生命に転職。 10年間、歩合制の営業職員として働く。2005年に独立し、(株)メディカル保険サービス取締役に。 07年に刊行した「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)で、業界を知る立場から生命保険業界が 抱える問題点をあげて、評判に。近著は「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)。

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