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保険はギャンブル でも、胴元の取り分は?

2008年7月30日

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 私はお客様に対して「保険は保険会社が負けないギャンブル」という説明を頻繁にします。好みは分かれるでしょうが、仕組みや原則を理解しやすい言い方だと思うからです。

 そうではなく、保険を「お守り」や「遺族へのラストラヴレター」などと言ってしまうと、高額商品の購入の判断が、情緒的に行われやすくなり、適切ではないと思います。あえて「人の不幸に張る賭け事」「当たっても嬉しくないクジ」と表現することで、「確率」や「コストパフォーマンス」など、いろんなことが見えてくるのだと考えます。

 しかし、「所詮、賭け事です」と言い切った後でも、すっきりしないものが残るのも事実です。それは、「胴元の取り分」が公表されていないことです。

 たとえば「宝くじ」について調べてみます。財団法人日本宝くじ協会のホームページには、トップページに「宝くじの収益金」という項目があります。イメージキャラクターの「クーちゃん」の下にあるので、すぐに目にとまります。そして、その文字をクリックすると、次のページの1行目に「宝くじ1枚の中身」という項目があります。そこをクリックすると、円グラフが出てきて、宝くじに支払ったお金の行方が簡単にわかります。まず45.8%が「当選金」として当選者に支払われ、次に40.0%が「収益金」として発売元である全国都道府県および17指定都市へ納められ、公共事業等に使われること。最後に残りの14.2%が印刷経費、売捌手数料、日本宝くじ協会普及宣伝費などに充てられることが明らかになるのです。

 「購入者の取り分」は半分もないことに、もう少し何とかならないのか?と感じたりもしますが、その透明性は気持ちがいいと思います。

 一方、保険はどうかというと、残念ながら、社団法人生命保険協会のホームページを見ても、これほどわかりやすいデータは、どこにも載っていません。各保険会社のホームページにもありません。

 さらに、他の「金融商品」と比較しても、保険商品に関する「情報開示」の遅れは明白です。実際、「投資信託」では、「販売手数料」とともに「信託手数料」が公開されていて、その内訳として、販売会社や委託会社に対する報酬まで確認することできます。ところが、保険の場合は、各種の手数料も未公開のままなのです。

 自分自身、物やサービスにお金を払う時のことを考えてみれば、言うまでもないことですが、消費者は、商品の購入に伴う出費について「主目的」のためにかかるお金と、それ以外にかかる「付帯費用」の両方を把握したいはずです。たとえば、通信販売で商品を購入する際に、送料もわからないようなビジネスが通用するだろうか?と思います。もちろん、通用するわけがありません。が、現実に40兆円を超える規模を持つ巨大なマーケットで、同じようなことがまかり通っているのです。保険会社には筋の通った反論が用意されているのでしょうか?

筆者プロフィール

後田亨(うしろだ・とおる)

1959年、長崎県生まれ。長崎大学経済学部卒業後、アパレル・メーカー勤務を経て、日本生命に転職。 10年間、歩合制の営業職員として働く。2005年に独立し、(株)メディカル保険サービス取締役に。 07年に刊行した「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)で、業界を知る立場から生命保険業界が 抱える問題点をあげて、評判に。近著は「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)。

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