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保険を難しくしているのは誰?

2008年9月3日

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 「仮に保険料が『年払い』で、しかも担当者による『集金』だったら・・」読者の皆様は、こんなことを考えたことはおありでしょうか?

 生命保険文化センターによると、生命保険の「世帯加入率」は87,5%で、1世帯当たりの「年間保険料」は52万6千円となっています(「平成18年度の生命保険に関する全国実態調査」による)。

 この数字を使って、私は冒頭に書いたような想像をします。たとえば、お盆の帰省前、あるいは忘年会シーズンなど、お客様のもとに保険を販売した担当者がやってきます。いや、担当者はとっくに退社していて、知らない人が来るかもしれません。いずれにしても、何かと物入りな時期に、「XXさん、1年分の保険料50万円を集金に来ました。」と言われる場面を思い浮かべてみてほしいのです。「わかりました。ちょっと銀行へ行ってきます。」と即答できるでしょうか?

 または、会社に毎日集金に来る人がいるとしたらどうでしょう?年間に平日は約250日だとして、1日あたり2000円。お昼休みに弁当を買いに行く前に、食事に行くお店を考えている時に、保険料として徴収されるのです。あるいは、毎週金曜日、軽く飲みたい気分を抑えて帰ろうとしている時に、「今週の保険料、1万円!」と言われたらどうでしょう?

 実際に、毎月5万円ほどの保険料を払っているお客様にお会いすると「保険料が高くて・・」とおっしゃる方がほとんどです。しかし「どんな契約内容なんですか?」と尋ねると、「『付き合い』で入った知人に任せてあるから。」「保険って難しくて、よくわからないんだよね。」「細かいことは覚えていないけど、安心料だよね。皆、そんなもんでしょう?」などと返ってきます。

 私は「つまり、お客様は、『高くて中身がわからない商品』にお金を払い続けていると、“安心”なんですか。また、『皆が同じような事をしている』と、“納得”できるんですか」という言葉を何度飲み込んだことかわかりません。

 断言しますが、「保険は難しい」どころか「簡単」です。もちろん、奥は深いです。しかし、基本はびっくりするほど簡単です。皆様の知り合いの営業担当者は、東大を出て、公認会計士や弁護士の資格を持っている人ばかりでしょうか?そうではないでしょう。保険業界は、昨日まで普通の主婦や金融業界以外でサラリーマン(他ならぬ私がそうです)をやっていた人が、1ヶ月の研修を受けて「プロ」になる世界です。「研修」といっても、報酬体系やセールストークを学ぶ時間もあります。保険の仕組み自体を学ぶ時間は、数時間です。それでも資格試験の合格率は97%です。

 私は、「保険は難しい」ことにしてしまっているのは、まず「複雑で高い商品を売りたがる保険会社」だと思っています。しかし、「何でも人任せにしたがるお客様」がいるからこそ、そんなビジネスが続けられるのだ、とも考えています。「保険金の不払い問題」にも直結する構造です。必ず改善されなければなりません。

 次回は「保険が難しく見える理由」を書きます。

筆者プロフィール

後田亨(うしろだ・とおる)

1959年、長崎県生まれ。長崎大学経済学部卒業後、アパレル・メーカー勤務を経て、日本生命に転職。 10年間、歩合制の営業職員として働く。2005年に独立し、(株)メディカル保険サービス取締役に。 07年に刊行した「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)で、業界を知る立場から生命保険業界が 抱える問題点をあげて、評判に。近著は「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)。

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