 | | カナダのタバコの警告表示 |
成人男性の喫煙率が約5割と先進国の中でも高い日本は、「喫煙大国」とも形容されます。しかし、分煙の徹底を推し進める健康増進法の施行が5月に迫り、7月にはたばこ税の増税が予定されるなど、たばこをめぐる環境が大きく変わろうとしています。たばこを吸う人には煙たいかも知れませんが、やめたい人にはいい機会です。たばこのこと、考えてみましょう。
■全面禁煙へ動き拡大 完全な仕切りで対策も
喫煙場所が決められていて一応は分煙になっているけど、たばこの煙が周りに漂っていく――。「分煙」をうたいながらそうなっていない光景をよく見かけませんか。しかし、こんな状況は許されなくなってきている。
兵庫県加西市(柏原正之市長)は4月1日から市役所をはじめ、公民館や学校など市の公共施設を全面禁煙にする。廊下の片隅などに設けていた喫煙コーナーも灰皿をなくし、屋内で喫煙できなくする。市役所などにあるたばこの自動販売機も撤去する。
「市民の健康を第一に考えた」と総務課。完全に分煙をするには間仕切りや換気設備の設置などコストがかかることも一因だった。歯科医でもある市長が、たばこの健康被害に関心が高かったことがきっかけだ。
佐賀県鹿島市も4月、同様の取り組みをし、市役所、学校、体育館など市の公共施設40カ所すべてで屋内を全面禁煙にする。これまで空気清浄機などで分煙していたが、「健康増進法の徹底はまず公共施設から、と考えました」と同市。
羽田空港。昨年11月、チェックインカウンター前の空気清浄機を使った喫煙コーナー4カ所をなくし、ビルの両端にガラスで完全に区切った分煙室を新設した。
空気清浄機では有害成分を一部しか取り除くことができないし、煙が漏れるという苦情が絶えなかった。
ただし搭乗口前の喫煙コーナーは残されており、「今後の課題です」と同空港。
「超微量化学物質が計測できるようになって、他人のたばこは『迷惑』でなく『危害』の問題と受け止められるようになった」と加藤尚武・鳥取環境大学長は指摘する。
■不十分施設は「違法」
たばこを吸う人の周囲で煙(副流煙)を吸い込むのを受動喫煙という。
副流煙に含まれる発がん物質は40種類以上。その一つのベンゼン。換気していない6畳間でマイルドセブン・スーパーライトを1本吸うと、濃度は環境基準の4倍の濃度になる。
厚生労働省は昨年6月、分煙効果を判定する基準をまとめた。受動喫煙を防ぐため、喫煙場所から周囲へ煙が漏れないことを確かめる方法として(1)喫煙した時、喫煙場所の境界部で粉じん濃度が上昇しない(2)喫煙場所に向けて毎秒0.2メートルの風向きがある――と定めている。
分煙装置に空気清浄機が多用されているが、「有害成分の多くは除去されない」と指摘する。
5月に施行される健康増進法では、学校、病院、事務所、百貨店など多くの人が集まる施設では、受動喫煙の防止が定められた。きちんと分煙できていない施設は、「法律違反」の烙印(らくいん)をおされることになる。
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