Q 改めて聞くけど、たばこはどうして体に悪いんだい?
A 煙に含まれる発がん物質、一酸化炭素、ニコチンなどがいろいろな病気を引き起こすんだ。もともとタバコ葉に含まれている成分のほか、火をつけて燃やすことで様々な有害物質が生じる。煙の中には約4000種類もの化学物質が含まれ、少なくとも60種類は発がん性がある。味や香りの調合などのために使われている添加物も約600種類になるんだよ。
Q どんな病気になるの?
A 一酸化炭素やニコチンは、動脈硬化を促進させ、心臓病などを引き起こす。多くの発がん物質が含まれているから、肺がん、喉頭(こうとう)がんなど多くのがんで、たばこが原因のものが多い。がん全体でみても、2割から3割が、たばこが原因と推定されている。
Q がんはよく言われるけど……リスクはいろいろあるのね。
A 喫煙者は、非喫煙者に比べて、35〜69歳では死亡のリスクは約3倍になることが、英国や米国の大規模な追跡調査でわかっている。厚労省研究班は、たばこで死ぬ人を年間約10万5000人と推定している。交通事故の10倍以上だね。一時、ダイオキシン類の健康影響が問題になったけど、喫煙にくらべると、発がんリスクは100分の1以下という研究もある。
Q たばこを吸うとリラックス出来るとか聞くけど。メリットもあるんじゃないの。
A 喫煙者は、たばこを長い間吸わないでいるとイライラしてくる。たばこに含まれるニコチンには、強い依存性があるんだ。ヘロインやコカインに匹敵すると言われているんだよ。イライラするのは禁断症状で、たばこを吸えば、それが緩和されてリラックスした気分になるだけと言う研究者もいるよ。
Q 隣でたばこを吸うと煙くっていや、という人もいるわ。
A 実はね、喫煙者が直接吸う煙(主流煙)よりも周囲に広がる煙(副流煙)の方が化学物質を多く含んでいるんだよ。ベンゼンだと8〜10倍だし、ホルムアルデヒドは50倍なんだ。周囲の人がこの副流煙を吸うのを受動喫煙というんだけど、かなり害を受けるんだ。
Q 煙いだけじゃないのね。
A 国立がんセンターはこんな推計をしている。他人のたばこによる肺がんで死亡する人は年に1000人から2000人。心臓病などを含めると、日本では年に1万9000人が受動喫煙で亡くなっているという推定もある。
Q 大人は吸ってもいいのに、なぜ未成年は吸ってはいけないの?
A 大人は健康上のリスクを十分知った上で、吸って下さい、ということなんだ。子どもは危なさの判断ができないし、健康への害も大人より大きい。吸わない人が60歳までに肺がんで死ぬ割合に比べ、15歳になる前から吸っている人は30倍になる。
Q どうしてなの?
A 子どもの肺はね、大人と違って分裂の盛んな細胞が多い。たばこの発がん物質は、これを肺がんの「芽」に変えやすいんだ。それに、子どもの時に喫煙を始めるとニコチン依存になりやすいし、急速に進んでやめられなくなるよ。
Q でもね、たばこの害は証明されていない、という意見を聞いたことがあるよ。再現実験もできないし。
A 喫煙が病気を引き起こすことは、たばこ会社も認めている。ただ、どうやって病気が起こるのか、詳しいメカニズムがわかっていない部分もある。だからといって害が無いというわけではない。受動喫煙が健康被害をもたらすことは、日本たばこ(JT)は認めていないが、3月にまとまった「たばこ規制枠組み条約」では、「科学的に明白」とされた。JTの最大株主である日本政府もこれを認めている。
Q 軽いたばこなら害も少ないんでしょ。
A 「ライトという表現で健康被害が少ないかのような印象を与えた」と言って米国で喫煙者がたばこ会社を訴えた訴訟で、裁判所は先日、たばこ会社に損害賠償金を払うよう命じた。日本でも「マイルド」「ライト」などと銘打ったブランドが多いけど、健康被害が少ないと科学的に証明されてはいないんだ。
Q 有害物質が少ないのに?
A 厚労省の調査では、箱に表示されたタールの量が少ない方が、むしろ発がん物質が多いことさえあった。軽いたばこを吸うと、ニコチンをたくさんとろうと吸う回数が増えることが知られているので、発がん物質も多くとってしまうかも知れないよ。
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