 | | 大阪府立健康科学センター健康生活推進部長1954年生まれ。84年大阪府門真保健所保健予防課長。87年大阪がん予防検診センター調査課長。01年から現職。厚労省の「たばこ白書」(02年)をまとめた喫煙と健康問題に関する検討会の委員を務める。 |
■医師に相談、補助薬頼る、失敗恐れず
厚生労働省の調査では、たばこを吸っている人でも男性の4人に1人、女性の3人に1人は「やめたい」と考えている。でも「やめられない」という人が多い。上手に禁煙するこつは何か――大阪府立健康科学センターの中村正和・健康生活推進部長に聞いた。
禁煙に失敗しがちな喫煙者は、3つの間違った思いこみを持ってます。
1つは、自力でやめなければいけないと思っていること。実際は依存症という病気なのに、喫煙を単なる習慣とか、くせだと思っている。病気の時、症状が重ければ医者にかかる。喫煙もそれと同じです。
2つ目は、意志を強く持てばやめられる、意志の力で禁煙の成否が決まると思っていること。これではがまん大会になってしまう。上手にやめるノウハウを知り、ニコチンガムなどの禁煙補助剤をうまく使えば禁煙に成功する確率は約2倍になるのに、そういうことに気づいていない。
3つ目は、禁煙は1回で決めるべきだと思っていること。失敗して何回も繰り返すことを恥ずかしいと感じていることです。何回か試みている人は禁煙が崩れる状況も知っています。経験を生かし、対策を考えれば成功の可能性は高まります。
禁煙は山登りに例えられます。禁煙を達成するための困難さを山の高さと考える。人によって高さは違いますので自分が登る山の高さを知って、その登山に適した方法を選びましょう。
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依存度によって禁煙は3段階ぐらいの困難さにわかれます。まずテストで自分の山の高さを評価してみて下さい。
ただし、これはあくまで目安。過去の自分の経験に照らし合わせ、とてもこの方法では山に登れないと思う人は、テストの結果より山は高いと思った方がいいでしょう。
禁煙がどのくらいの確率で成功するか、調べるソフトもあります=メモ。依存状況や「外でお酒を飲む時」といったように、場面に応じて吸わないでいられる自信があるかを入力すると、これまで千人ぐらいの経験に基づくデータで禁煙成功確率がわかります。
高い山に登らないといけない人は、自力で登れないこともないけれど、すごく苦労するし、しんどい。楽に登ろうと思ったら、ロープウエーの役割をする禁煙補助薬を使うといい。
ロープウエーを使うだけでは難しいのなら、経験豊富なシェルパ役の、禁煙外来の医師の助けを借りることも出来ます。
比較的低い山だから自力で登るという人でも、楽に登るにはノウハウがあります。取り組む前のヒントや、どうしても吸いたくなった時の対処法などを集めた冊子も最近作りました=メモ。
「ロープウエー」役になるものには日本ではガムとパッチの二つがあります。
ガムは薬局で手軽に手に入るので比較的低い山ならガムでもいい。ヘビースモーカーは、禁煙外来などで医師に診てもらった方がいいでしょう。
1日30本以上吸うような人は、ガムでは1日10個ぐらいかむ必要があります。普通のガムと違い、正しくかむには1個30分から1時間かける必要があります。
禁煙補助薬は、イライラする、落ち着かないなどの離脱症状に対して、ニコチンを薬剤の形で体内に補給し、その症状をやわらげて禁煙を助ける医薬品です。ニコチンの害を心配する人もいるようですが、これは、たばこを吸うととり入れる有害物質のうちのたった一つで、たばこに比べて体内に入る量も少ない。
ニコチン依存症という病気を治すには、自力で取り組む方法から重装備の禁煙外来コースまでいろいろ。時間、費用を考えて、自分として納得できる方法でチャレンジしてみて下さい。
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