Q 弁逆流症とはどんな病気でしょう。
A 心臓には四つの弁があり、心臓の収縮と拡張に合わせて開いたり閉じたりして血液を一定の方向に送り出しています。その弁が完全には閉じなくなり、血液が逆流する病気です。ほかに病気のない若い人では、左心房と左心室の間にある僧帽弁での逆流が比較的多いようです。
Q どうして起きますか。
A 自然に弁の硬さなどが変わり、閉じる時に一部分がめくれあがる僧帽弁逸脱症を原因とする場合が増えています。弁を支える腱索(けんさく)というひもが切れて起こることもあります。まれに、胸を強く打って逆流が生じる人もいます。
Q 相談の方は特に治療をしていないようですが。
A 軽症ならふつうは治療の対象になりません。逆流は胸に超音波をあてて心臓の形や血流を調べる心エコー検査で、数ミリ単位で見ることができます。心臓に何も異常が見られない方でも、わずかな逆流はよく見つかります。
Q 運動はできますか。
A 軽症の弁逆流症の場合、運動しながら不整脈や血圧などを調べる負荷試験で問題がなければサッカーの部活動も再開できると思います。自然に治ることはまずありませんが、僧帽弁逸脱症が原因ならそれほど悪化することもありません。中等度以上の弁逆流だとすると、過激な運動は控えた方がよいでしょう。
Q それではあまり心配しなくてよいのでしょうか。
A 弁逆流症は心臓の筋肉が分厚くなる閉塞(へいそく)型の肥大型心筋症という病気に伴うことがあります。この場合は突然危険な不整脈を起こす恐れがあるので、運動を控えて必要な治療を受けてください。
Q ほかに気になることはありますか。
A 胸の痛みがひっかかりますね。僧帽弁逸脱症で原因不明の痛みを訴える人もたまにいますが、軽症の弁逆流症では胸痛はほとんど起こりません。安静時は平気なのに運動すると必ず痛むとか、なんとなく胸全体が苦しいという痛み方なら要注意です。弁逆流症にとらわれず、狭心症や、ある種の不整脈、肺動脈に血栓が詰まる病気など、早い治療が必要な病気も疑って、詳しく調べた方がいいでしょう。
(朝日新聞社) |