Q 鉄分を補給すると症状が改善したそうです。
A 貧血には、いくつも種類があります。最も多いのが鉄欠乏性貧血で、ほかに慢性の炎症や感染症に伴う貧血、溶血性貧血などがあります。鉄分の補給で改善したようですから、鉄欠乏性貧血の可能性が高いと思います。
Q 何度も貧血気味になるようですが。
A 鉄欠乏性貧血も原因は様々です。(1)生理の量が多いとか胃潰瘍(かいよう)、ときには胃がん、大腸がんとかの出血に伴うもの(2)妊婦(3)乳児に母乳を与えている母親(4)成長期の子ども(5)偏食、などです。いずれも体内の鉄分が足りなくなることで、貧血になります。
Q なぜ、鉄分が足りないと貧血になるのですか。
A 鉄分がなければ、赤血球のヘモグロビンができないためです。赤血球の寿命は約120日。なくなった分だけ生産し、一定量を維持しています。寿命で壊れた赤血球に含まれていた鉄は、新しく作る赤血球の原料になります。鉄のリサイクルですね。健康な人では体重1キロあたり男性で50ミリグラム、女性で35ミリグラム程度の鉄が体内にありますが、外に排泄(はいせつ)する鉄は1日わずか1ミリグラム程度。その分は食事で補っています。
Q 出血だとバランスが極端に崩れるのですね。
A そうです。足りなくなった鉄は、鉄剤と呼ばれる経口薬で取るのが一般的です。
Q Sさんは、ヘモグロビン量が少ない時があるようです。
A ヘモグロビン値は、男性で13〜17、女性で11〜15が基準値です。8程度まで下がるのは、かなり低いですね。まず、鉄欠乏になる原因を突き止めることが大事です。それと、市販薬と医師の処方薬では、含まれる鉄の量が違うことがあります。鉄欠乏性貧血では、なるべく多くの鉄を取る方がいいので、医師の処方する鉄剤の服用をお勧めします。
Q 飲むのは、ヘモグロビンが減ったときだけですか。
A 貧血が治った後もしばらくは飲み続けることが必要です。一般的に、出血が続いていなければ、2カ月程度でヘモグロビン値は正常化します。さらに3カ月程度飲み続けると、体内に十分な鉄が貯蔵され、治療が終わります。
(朝日新聞社) |