Q どんな症状ですか。
A 胸骨が背中側に落ち込み、胸の真ん中が漏斗のように大きくへこんで見えます。男の子に多く、軽度を含めると千人に1人の頻度です。生まれつきの場合が多く、成長につれ少しずつ変形がひどくなるようです。原因ははっきりしないのがほとんどです。
Q 心臓や肺を圧迫して、何か悪い影響があるのでは。
A 風邪を引きやすい、運動で疲れやすい、心臓の弁に異常が多いという報告もありますが、重い症状はまず出ません。むしろ、水泳の授業が恥ずかしいといった外見の問題がほとんどです。
Q Eさんの息子さんは気にしているようです。
A 恥ずかしがって猫背になると、余計に目立ちます。軽度なら、胸を張るよう心がけるだけで目立たなくなります。重度の場合はコンピューター断層撮影(CT)でへこみ具合を調べ、心臓や呼吸器に問題が出る恐れがあれば、手術を検討すべきでしょう。
Q 手術は大変ですか。
A 以前は胸骨を切って持ち上げるといった大がかりな手術で胸の真ん中に大きな傷が残りましたが、「ナス法」という新しい方法が日本でもここ数年広まっています。
Q 新しい方法とは。
A 胸腔(きょうくう)鏡で見ながら、弓形の金属板を右わきの下から左のわきに通し、胸を持ち上げた状態で体内に埋め込みます。骨格が固まるまで2〜3年待ち、再び手術して金属板を取り除きます。時間は1時間ほどで、出血はほとんどなく、傷跡もわきの下に3センチほどと小さく目立ちにくい。入院期間は1〜2週間で、保険も利きます。全身麻酔なので、小児外科の専門医がいる病院がお勧めです。金属板が入っている間は激しい運動は控えて下さい。
Q 手術に適した時期は。
A 骨がまだ軟らかい就学前後が最適で、小学生の間をお勧めします。成長後では、入れる金属板を増やしたり、うまく矯正できない可能性が増えたりします。
Q 手術のリスクは。
A 胸腔に空気が入ったり、血や水がたまったりすることがありますが、治療が必要な合併症はほとんどありません。へこみがある程度残ったり、まれですが再発したりする場合もあります。
(朝日新聞社) |