Q どのような病気と考えられますか。
A 周期性嘔吐症という病気で、10歳くらいまでのお子さんの2%ほどに発症するといわれます。「ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)・ADH(抗利尿ホルモン)分泌異常症」や「自家中毒」などと呼ばれることもあります。
Q 乗り物酔いがきっかけで発症するそうですが。
A 乗り物酔いのほか、体の疲れやアレルギーなど、何らかの刺激が引き金になることが多いようです。重い場合だと4日ほど吐き続け、脱水状態になって入院が必要になることもあります。残念ながら、根本的な原因はよく分かっていません。
Q 診断の方法は。
A 血液や尿を調べれば、はっきりします。嘔吐の初期には、血中のACTHやADHの値が上がります。この値は翌日には下がりますが、今度は尿中にケトン体という物質が出てきます。
Q どう治療しますか。
A 吐き気を抑える薬を処方します。よく使うのは胃腸の機能を調整するドンペリドン(商品名・ナウゼリン)で、座薬のタイプもあります。抗アレルギー薬や抗てんかん薬が効く場合もあります。脱水症状が重いときはぶどう糖を含む輸液を点滴しますが、この点滴だけで治るお子さんもいます。
Q Yさんは、子どもに薬や点滴を続けることが不安なようです。
A ドンペリドンは効果の持続時間が比較的短く、薬の成分が体外に早く出ていきますので、そう心配はいりません。点滴もそれ自体が有害なわけではないので、息子さんが楽になるのなら、してあげた方がいいと思います。
Q ふだんの生活で注意点がありますか。
A 吐くのに先立ち、不機嫌になったり腹痛を起こしたり、といった前兆があることが多いようです。かかりつけ医に頓服用の薬を出してもらい、前兆の段階で飲み始めれば症状が軽くて済むことがあります。また、便秘がきっかけで吐くことがありますので、排便習慣を身につけることも大切です。
Q 自然に治りますか。
A 自律神経の成長と関係があると言われ、多くは思春期までに症状は消えます。
(朝日新聞社) |