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健康相談 with J-Health 保健同人社

[睡眠時無呼吸症候群の診療と検査](07/30)

問い

職場でよく居眠りをする。何科を受診すればよいか

 32歳、男性。身長175cm、体重70kg。最近、職場でよく居眠りをしてしまいます。一時期、テレビや雑誌で「睡眠時無呼吸症候群」という病気が話題になりましたが、私もこの病気ではないかと心配しています。一人暮らしをしているため、健康管理には自信がありません。一度、医師に診ていただきたいのですが、この病気の場合、何科を受診すればよいのでしょうか。また、どのような検査をするのかについても詳しく教えてください。


答え

1泊入院の睡眠検査で正確な診断ができる (回答者:杏林大学医学部耳鼻咽喉科教授 長谷川 誠)


 結論から先に申しますと「睡眠時無呼吸症候群」の可能性はあると思います。もし日頃より、大きないびきを家族や友人から指摘されている場合には、その可能性がいっそう大きいと思います。

 睡眠時無呼吸症候群は、中枢型、末梢型(閉塞型)、混合型に大別できますが、その大部分は閉塞型です。

 この閉塞型は、いびきをともないます。睡眠中に上気道(鼻から舌根部にいたる領域)が狭窄した場合にいびきとなり、それがさらに進行し閉塞すると睡眠時無呼吸になります。

 いびきや無呼吸は肥満のある人にその傾向が強く現れます。相談者は決して肥満であるとはいえませんが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおいては6〜7割に肥満が見られます。

 このように肥満が原因で睡眠時無呼吸がおこっているものを、かつてはピックウィック症候群と呼んでいた時期がありました。この名称はイギリスの著名な作家、チャールズ=ディケンズの作品に由来しています。

 上気道の診察という点では、耳鼻咽喉科がもっとも正確に病態を把握できる診療科です。いびきや無呼吸においては鼻疾患の有無、扁桃(アデノイド)肥大の有無がたいへん重要です。しかしながら、無呼吸、睡眠障害という点では、内科、とくに呼吸器内科、精神神経科も関与します。

 一方、睡眠中に無呼吸による酸素欠乏状態がくり返しおこり、その結果、循環器系に負担がかかると脳血管障害や不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全などのリスクが高くなります。

 そうなると、神経内科、循環器内科なども関係してきます。また治療に関しては、一部の患者さんには歯科医のサポートも必要になります。

 すなわち、いびきや睡眠時無呼吸症候群の診療は、単一診療科のみによる診療では不十分であり、複数診療科にまたがるいわゆる集学的アプローチが理想的です。しかしながら、このような診療体制で行っている施設はきわめて少ないのが現状です。

 なお、睡眠検査(ポリソムノグラフィー)を行うスリープセンターが最近、各地にできつつあり、おもに各医療施設より紹介を受けた患者さんの検査にあたっています。

 睡眠時無呼吸症候群を正確に診断するには、この睡眠検査が必要です。通常、1泊入院により睡眠中の無呼吸の状態について調べ、その重症度を判定します。そして、その結果に基づいて治療法を選びます。

 治療法の選択については、まだわが国では一定の基準はなく手探りの状態です。私ども杏林大学耳鼻咽喉科の治療基準では、重症においてはCPAP療法(睡眠時に鼻マスクより加圧する方法)を第1選択としています。

 一方、軽症、中等症においてはスリープスプリント(マウスピース)の装用を第1選択とし、それでは満足できない人に対しては咽頭拡大手術(UPPP) を行っています。鼻疾患や扁桃肥大がある場合には、まずそれを最初に治療します。

 (保健同人社)

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