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健康相談 with J-Health 保健同人社

[原因不明のしびれ](09/30)

問い

つま先のしびれが続く。検査では異常が見つからない

 60歳の妻(身長158cm、体重48kg)のことでご相談します。8年ほど前から両足のつま先がしびれ、日を追うごとにひどくなり、そばで見ていてもつらいものがあります。これまでにもいろいろな診療科を受診しました。婦人科ではホルモン療法を受けましたが効果がなく、整形外科ではエックス線、MRI、骨量、神経などの検査を、神経内科では生活習慣病検査、血液検査、触診検査などを受けましたが、いずれも異常は見つかりませんでした。それから両足の甲に麻酔を打ちましたが、これはかえってしびれを増幅させてしまったようです。現在は気が狂いそうなくらいのしびれを少しでもやわらげようと精神安定剤と睡眠薬を服用しています。また、患部をさすることでしびれがおさまるようで、こちらも毎日1時間ほどしています。しびれの原因はなんでしょうか。考えられる病気、そして治療法について教えてください。


答え

対症療法的に治療を行いながら、診断をすすめていく (回答者:聖マリアンナ医科大学病院麻酔科・原 康治)


 一生のうち腰下肢の痛みやしびれを経験する人は、全人口の8割以上といわれています。

 これは、交通機関の発達によって起立・歩行が減少したことにともなう脊柱支持筋(背骨の周りをとり囲む筋肉)の衰えや、平均寿命の延びによる脊椎およびその周辺組織の変性・変形が関与していると考えられます。

 下肢の痛みやしびれを引きおこす疾患で、通常よくみられるものは、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、末梢神経障害などの神経系のものと、下肢の血流障害による血管系のものとがあります。

 しかし、検査で異常が認められず、原因が特定できないものが数多く存在するのも事実です。

 ご質問の内容だけでは、すぐに病気の診断にたどり着くのはむずかしいようです。

 いろいろな検査の結果、すべてに異常が認められないということですが、歩行障害(間歇性跛行:数メートルから数十メートルごとに休まないと歩くことができない)や冷感、知覚異常などは認められるのでしょうか。

 また、患部をさすることにより症状が一時的に改善されるようですが、入浴などにより症状の改善は認められないのでしょうか。

 いずれにしても症状が増悪傾向で、日常生活にも支障をきたしておられるようですから、対症療法的に治療を行いながら、診断をすすめていく必要があると考えられます。

 患部をさすることによりしびれが改善されるとのことですから、患部の血流を増やすような治療が有効である可能性が考えられます。

 下肢の血流を増やす治療法としては、レーザー療法や硬膜外ブロック、腰部交感神経節ブロックなどがあります。レーザー療法は患部へ直接レーザーを照射する方法で、合併症もなく、治療時間も短く、痛みをともなう治療法ではないため通院が苦痛になることはないと思います。

 硬膜外ブロックは、下肢の血管の収縮や拡張に関与する神経を局所麻酔薬で一時的に麻痺させることにより、下肢全体の血流を増やします。脊髄を包み込む膜の外側にくすりを注入するため背中から注射することになり、多少の恐怖感がありますが、痛み自体はほとんどなく、手技自体も数分で終了します。

 ブロック後は1時間ほどの安静が必要で、週1〜2回の通院が必要となります。

 また薬物療法として末梢神経障害を改善するビタミンB12、そして末梢循環障害を改善するビタミンEやプロスタグランジンE1、精神的ストレスをとり除くために抗不安薬・抗うつ薬なども有効と考えられます。

 ご相談にあるような長期間におよぶ原因のはっきりしないしびれや痛みを訴える患者さんの多くは、周囲からの理解が得られにくく、そのことがストレスとなり症状がさらに悪化することが多々見られます。

 また、診断や治療効果がはっきりしないために医療機関に不信感をもち、病院を転々とする傾向が強く見られます。周囲の理解と信頼できる医療機関を早期に見つけることが非常に重要であると考えられます。

 (保健同人社)



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