asahi.com
天気  辞書  地図  サイト案内  アクセスTop30 
サイト内検索:
健康 社 会 スポーツ 経 済 政 治 国 際 サイエンス 文化・芸能 ENGLISH 
  >健康・生活  >医療・病気  >保険・年金  >福祉・高齢  >スギ花粉  >健康相談  >暮らしと健康コラム 
 
 
 
  home > 健康 > 健康相談   

健康相談 with J-Health 保健同人社

[うつ病と抗うつ薬](12/30)

問い

うつ状態はくすりでしか治療できないのか

 18歳、女性。昨年11月中頃に精神神経科で「うつ状態」と診断され、投薬治療を始めました。当初、パキシル・を服用しましたが、頭が響くような症状に悩まされ、医師と相談のうえ、2か月弱で打ち切りました。その後、4か月ほど、安定剤ソラナックス(商品名)を非定期に服用する状況を経て、今年の6月初めからルボックス(商品名)をすすめられ、現在継続中です。ルボックスは当初50mg、最近になって75mgとなっています。「うつ状態」は抗うつ薬でしか治す方法はないのでしょうか。担当医は、ほかの治療法(精神療法など)を併用する時期ではないと考えているようですが、どのような状況で、それをとり入れるのかについて説明を受けられずにいます。今後、くすりの量が増えるのではないかと不安です。くすりの副作用で動作が緩慢になると聞いています。処方されたくすりは脳内のセロトニンの量を調整すると聞いていますが、どのような経過をたどって治るのでしょうか。


答え

主治医との関係を築き、精神療法で自責の念をとり除く (回答者:横浜相原病院(総合診療科)院長・吉田勝明)


 うつ病の薬物治療についてのご質問ですが、まず「うつ状態」という言葉について述べますと、これは単に状態を示しているだけにすぎません。頭痛や腹痛などと同じように、胃がんや胆石症、胃潰瘍のような病名ではないため、「うつ状態」がうつ病によるものなのか、あるいはほかの精神病、心身症によるものかを区別する必要があります。

 ただ場合によっては、われわれ医療サイドで「うつ病」というと必要以上に重症に聞こえてしまい、患者様が心配され、かえって状態を悪くすることもあるため、診断の際に「うつ状態」と表現することもあります。

 しかしここでは「うつ病」ということで話をします。

 ご相談のなかにセロトニンという言葉がありますが、この説明を少ししましょう。性格をつくるホルモンとしては、次の三つがあります。

 (1)セロトニン:本能にブレーキをかける。気持ちを明るくしてくれる。性欲・食欲・攻撃性を鎮め理性をつくる。

 (2)ドーパミン:快感を伝達する。快感を求めて行動をおこす意思の原動力となる。

 (3)ノルアドレナリン:警告ホルモンで、精神を戦闘態勢にさせる。理性をなくし興奮状態にさせる。

 セロトニンが減少すれば衝動行為にブレーキがかからず、重症ではうつ病や自殺にいたるとされています。このことを応用し、憂うつな気分や暗い気分を修正し、前向きな思考ができ明るくなるように使用している薬物が、SSRI(選択的セロトニン再とり込み阻害剤)といわれる、パキシルやルボックスです。

 ではこれらのくすりの違いですが、基本的には同じと思ってよいと思います。それぞれの好みやくすりの合う合わない、あるいは副作用の現れやすさのような差があり、銘柄の違うチョコレートやお酒と思ってよいでしょう。

 私は、うつ病の軽快過程には次の3段階があると考えています。

 (1)自責の念をとり除く

 (2)現実を受容する

 (3)心にエネルギーがたまる

 うつ病になる人は、基本的には病前性格(病気になる前のその人の性格)として、生真面目、融通がきかない、責任感が強いなどがあげられます。

 つまり、うつ病になると、自分がやるべきことができないことで他人に迷惑がかかってしまう、自分はなんて無能な人間なんだ、などと自分自身を責める思いが強くなります。この思いがあるかぎり、どんなに休養しても、どんなくすりを飲んでも効果はないか、あってもほんのわずかです。

 この第1段階を乗り切るには信頼できる主治医との関係、そして精神療法が必要と思われます。精神療法はそれぞれの医師によりどの段階でどのような治療法をするかはさまざまですが、私はそれぞれの段階に合う精神療法があると思って、それを実践しています。

 自責の念がとり除かれ「今、自分は病気で十分な休養が必要なんだ」と現実を受容し、第2段階をクリアできれば、しだいにエネルギーがたまり、うつ病を克服していけるでしょう。

 さらに大切なことは、軽快したあとにも生活リズムのオンオフの切り替えテクニックをもち、つねに自分のエネルギーの状態を知って行動することです。

 (保健同人社)



保健同人社では、皆さまからのご相談を募集しています。からだや病気の相談に加え、こころの悩みや暮らしの中の素朴な疑問まで、ますます充実した当相談室が最前線で活躍する専門家とともに、解決のお手伝いをいたします。個人のお名前は一切だしませんので安心してご相談ください。

お寄せいただいた相談は、月刊『暮しと健康』誌面上で回答させていただきます。できるかぎりとりあげさせていただきますが、回答いたしかねる場合もございます。また、回答まで数週間から数か月かかるものもありますので、あしからずご了承ください(回答は診断ではありません。健康についてのアドバイスとしてご活用ください)。

質問要領・ご注意:年齢、性別、身長、体重、症状、経過、既往歴、服用中のくすり、飲酒や喫煙の有無など、必要と思われることは詳しくお書きください。個人への直接回答はいたしません。

宛先:asahi@hokendohjin.co.jp






| 社会 | スポーツ | 経済 | 政治 | 国際 | サイエンス | 文化・芸能 | ENGLISH |
GoToHome ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。 GoUpToThisPage
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー | 広告掲載と注意点 | アサヒ・コムから | 朝日新聞社から | 問い合わせ |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission