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健康相談 with J-Health 保健同人社

[耳閉感とめまい](11/10)

問い

耳閉感とめまいが気になる。単なる疲れか

 27歳、女性。1週間ほど前から左右の耳がつまったような感じが続いています。気になって病院で聴力検査を受けたところ、やはり左右の耳の聞こえが悪かったのですが、原因はわからず、点滴だけして帰りました。最近ではめまいもおこります。ただし、めまいは周囲の風景が回っているだけで、とくに気分が悪くなることはありません。単なる疲れで、しばらくすれば回復するものなのでしょうか。既往症はアレルギー性鼻炎だけです。


答え

メニエール病が疑われる。専門医を受診し、治療を (回答者:聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授・肥塚 泉)


 めまいをきたす疾患には大きく分けて、耳の奥にある内耳の病気を原因として生じる末梢性めまいと、脳梗塞や脳腫瘍など、脳の病気を原因として生じる中枢性めまいの2つがあります。

 これらのうち末梢性めまいは、めまいに難聴や耳鳴りをともなうことが多いことを特徴としています。

 これは、内耳は平衡感覚のみならず聴覚も司っていることに起因します。

 一方、中枢性めまいは、小脳や大脳、脳幹の中でめまいに関係した部分に病変が生じた結果、めまいという症状が出現するので、難聴や耳鳴りをともなうことは少ないという特徴を有しています。

 今回の相談例では、左右の耳がふさがったような感じ(耳閉感)、左右の難聴と、ぐるぐる回る感じ(めまい)がほぼ同時に出現していることから、中枢性めまいよりもむしろ、末梢性めまいのほうが考えやすいようです。

 末梢性めまいにはメニエール病、めまいをともなう突発性難聴、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、内耳炎、外リンパ瘻、薬物障害、聴神経腫瘍(比較的サイズの小さなもの)などがあります。

 これらのなかで良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎では難聴などを認めませんので、今回の相談例では除外することができます。

 めまいをともなう突発性難聴はふつう、一側性の難聴で、左右同時に発症することはきわめてまれです。内耳炎は、その解剖学的な位置関係により、中耳炎(とくに真珠腫性中耳炎)や髄膜炎が波及して生じることが多く、本相談例では、これらによって生じる症状はないようなので、これも否定的と思われます。

 外リンパ瘻は、内耳の中を満たしている外リンパ液が、鼓膜の裏にある中耳腔というところにもれだす病気ですが、これも左右同時におこることは非常にまれで、また発症に際して、鼻を強くかんだ(中耳内圧の急激な上昇をきたす)、重いものを持ち上げた(頭蓋内圧の急激な上昇をきたす)などのきっかけがあることが多いようです。

 薬物障害については、その原因となる薬剤(アミノ配糖体系抗生物質など)の使用はなく、考えにくいようです。

 聴神経腫瘍は、特殊なものを除いて一側性の難聴が多く、これも考えにくいでしょう。

 以上より、本相談例ではメニエール病が強く疑われます。

 メニエール病は、めまい発作をくり返し、その際、難聴や耳鳴りなどをともなうというのが特徴です。一側性が主ですが、両側性も認められます。内耳全体に生じた「水ぶくれ」(内リンパ水腫)がその本態といわれています。原因は不明ですが、その発症にストレスの強い関連が示唆されています。

 本相談例では、めまい発作をくり返したかどうか定かではありません。メニエール病の難聴は病初期、低い周波数で生じ、これがめまい発作とほぼ時期を同じくして変動するという特徴を有しています。

 今回ご相談の例では、難聴の型、これがめまい発作とともに変動したのかどうかも不明です。また、末梢性めまいでは、吐きけや嘔吐などの症状をともなうことが多く、これがないというのも気になるところです。

 以上より、早急に耳鼻咽喉科専門医を受診され、適切な診断ならびに治療をお受けになることをおすすめします。


(保健同人社)



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