(回答者:医療法人社団済安堂井上眼科病院理事長・井上 治郎)
流行性角結膜炎は、アデノウイルス8型などのウイルスが原因でおこる、いわゆる「はやり目」の代表的な病気です。
感染してから、約1週間後に目がゴロゴロして、白目が真っ赤になり、涙が多くでて、眼瞼(まぶた)が腫れて、まぶしくて目が開けられなくなります。目やにもでますが、あまり多くありません。また、まぶたの裏にブツブツした濾胞ができたり、耳の前のリンパ腺が腫れて痛くなります。この症状は2〜3週間続きます。
流行性角結膜炎の特徴は、感染力が非常に強いことです。接触感染といって、病気の人の涙や目やにの中のウイルスがほかの人の目に入ることで感染します。したがって、病気になった人は、涙や目やにがでて気になっても、決してそれを手でふかない、目をいじらない、ふくときにはティッシュペーパーなどを使って、それはすぐに捨てる、ハンカチでふいてほかの人に貸すようなことはしないようにすることです。
また、目を触ったあとは手を石けんでよく洗って、手についているウイルスを流してしまうようにしてください。もちろん、涙や目やにのついた器具からの感染もありますが、ウイルスはふつうはそこでは長く生きることはありません。ただ、病気の人は、家庭では入浴を最後にして、タオルや洗面器は別にしてください。また、できれば学校や会社は休んで、外出をさけてください。
この流行性角結膜炎には、現在のところよい治療法がありません。抗菌剤やステロイドの点眼を頻回に行うのですが、やはり一定の期間を経ないと治らないのがふつうです。
また、充血の頻度が減るなど病気がよくなりかけてきた頃に、角膜に小さな点状の混濁がでることがあります。この混濁は結膜炎の症状が強いとたくさんでき、たくさんできれば視力の低下につながります。
混濁の治療はステロイドの点眼ですが、点眼を始めて混濁が消えても、点眼をやめると、すぐまた混濁がでることもありますので、完治まで根気よく続けてください。
このように角膜の混濁もかなりやっかいな症状で、特効薬はありません。ですから、流行性角結膜炎になった場合には、病気の初期から抗菌剤やステロイドの点眼薬をつけて、後遺症である角膜の混濁をおこさないことが非常に大切だといえます。
ウイルスに感染すると、からだはそのウイルスに対しての免疫ができますので、一定期間は同じ病気にかからないのがふつうです。はしかのように一生涯免疫が続くものもありますが、流行性角結膜炎の免疫は、一概にはいえないものの、長くありません。また、原因となるウイルスも1種類ではないので、再び別のウイルスに感染することがあります。
大切なことは、流行性角結膜炎に感染しないようにすることです。したがって、疑わしい目の赤い人のそばには行かない、他人の目ぐすりをつけない、目をいじらない、こすらない、プールのあとでは必ず目を洗うということによく注意してください。
また、感染したら他人に感染させないように気をつけてください。そして、目やにがでる、赤くなる、涙がでるなど、少しでも異常を感じたらすぐ眼科専門医を受診してください。
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