(回答者:岩手医科大学皮膚科教授・赤坂 俊英)
「赤く腫れて、押すと腫れ上がっている部分が白くなる」、「(何もないところを)引っかくとその部分が同じように腫れる」などの特徴から、相談者の発疹はじんましんと考えてよいでしょう。しかし、ただちに温熱性じんましんと判断はできません。じんましんの原因はたくさんあるのです。
じんましんとは皮膚の血管や神経、膠原線維が豊富な真皮の一過性の浮腫(むくみ)をいいます。原因はさまざまで真皮の肥満細胞からいろいろな化学物質が放出され、むくみとともに強いかゆみを生じます。1個のじんましんの発疹は10分から数時間で消失して別な部位に生じます。症状の経過によって、1か月以内のものを急性じんましん、1か月以上のものを慢性じんましんに分けます。また、発症機序(発症のしくみ)はアレルギー性の場合と非アレルギー性の場合ともにあります。
原因は不明のことが多いのですが、(1)扁桃炎などの病巣による細菌やEBウイルス、サイトメガロウイルス、A型・B型肝炎ウイルスなどの感染症、(2)食物、(3)薬剤、(4)接触物、(5)機械的刺激、温熱、寒冷、日光、アセチルコリン、運動などの物理的因子、(6)自己抗体誘導、(7)膠原病、血液疾患、妊娠などの全身疾患、(8)ストレスなどの心因性因子、などが知られています。
「こたつを利用しているのですが、温まるとでるようです」とありますが、じんましんは一般に温めることによって症状が悪化し、かゆみも強くなります。確かに温熱じんましんは38〜50℃までの皮膚温の上昇で生じますが、2〜5分間の温度刺激が加わった部分にのみじんましんが生じるのです。ですから、背中や横腹など温度刺激が加わらない部位には温熱じんましんはでないはずです。
したがって、ほお、背中、横腹など衣服やほお杖で物理的刺激を受ける部位に生じることから、機械性じんましん(人工じんましん)あるいは接触じんましんが考えられます。
機械性じんましんは全身どこでもこする、圧迫する、引っかく、などの物理的刺激によって刺激を受けた部位にじんましんを生じます。ただし、ほかの原因のじんましんで皮膚反応が亢進していると、物理的刺激でじんましんを生じるので注意が必要です。
接触じんましんは、近年増加しているじんましんです。これは食物や化学物質が皮膚や粘膜に直接触れて、触れた部位にだけ生じます。
原因は果物や魚介類の食物、ゴムラテックス、ペニシリンなどの抗生物質、ヒビテン消毒液などがあります。とくにゴムラテックスは下着などの衣服に頻用されているため、衣服でこすれる部位にはじんましんがしばしば生じます。
しかし、前述したようにじんましんにはさまざまな原因があります。隠された内臓疾患や感染症の有無の検索、常用している薬剤が原因ではないかどうかの検索、アレルギーであればアレルゲンの検索、機械性じんましんでは温熱刺激、寒冷刺激、紫外線照射などの誘発試験を行って原因を探す必要があります。ぜひお近くの皮膚科専門医を受診することおすすめします。ある程度原因が確定するとともに適切な治療をしてもらえます。
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