(回答者:千川通りあさのクリニック院長・浅野 哲雄)
相談者の場合、「冷静時に脈が飛ぶ」ことと「不安になり汗をかく」ことは分けて考えたほうが今後の方針を立てるためにもよいと思われます。前者は循環器、後者は精神の専門家と相談する必要があります。
パニック障害では、パニック発作時に不安感、発汗、しびれ感、めまい、呼吸困難、動悸、吐きけなどの症状が突然出現しますが、比較的短時間で消失することが多く、外来を受診されたときには検査を行っても異常がないのがふつうです。アメリカ精神医学会のパニック障害診断基準においても、薬物乱用や身体疾患(甲状腺疾患など)がないことが条件に入っており、身体疾患のある場合は、そちらの治療も併せて行う必要があります。
【心室性期外収縮と「脈が飛ぶ」は大いに関連あり】
健康診断で3年間続けて心電図に異常所見があるようですが、そのなかでも今年の結果、心室性期外収縮と「脈が飛ぶ」こととは大いに関連があり、この点については調べる必要があると思われます。また毎晩の酒量が比較的多いことから、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病やアルコール性心筋症も要注意です。
心室性期外収縮は不整脈の1つですが、脈の乱れだけでなく、ほかの心疾患に合併する場合があり、胸部エックス線、心電図、ホルター24時間心電図、心超音波検査が必須です。心室性期外収縮は運動負荷により悪化する例や逆に軽快、消失する例があり、からだによいと思っている運動が逆効果になることもみられます。
相談者の場合、長距離走の趣味を続けてよいかの判断をするためにはベルトコンベアの上を歩く「トレッドミル試験」や自転車をこぐ「エルゴメーター試験」などの運動負荷試験、放射性医薬品を使った「運動負荷心筋シンチグラフィー」などが必要になります。
【運動にはウォーミングアップとクーリングダウンが大切】
長距離走中に心発作が生じることがまれにありますが、心筋梗塞、心不全に加え、心室性期外収縮の悪化による突然死によることも多く、ゴールイン後、急に脈拍が減少したときにもおこりやすいため、ウォーミングアップとともにクーリングダウンが重要なようです。
健診で症状があれば医師に相談をといわれているのですから、まず専門医への相談をおすすめします。それから、母上の件に関しては原因心疾患が不明なので、はっきりしたことはいえませんが、一般的な徐脈に対してのペースメーカーであるとすれば、遺伝的な要素は心配しなくてもよいと思われます。
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