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[味覚障害](05/12/10)

味覚に違和感。何科を受診したらよいか

 43歳・女性。毎日家族の食事を作っていますが、2か月ほど前から味つけが濃くなったと頻繁にいわれるようになりました。とくに塩辛くなったようです。試しに食塩をなめてみたところ、確かに味をあまり感じませんでした。かぜをひいたときに味覚が鈍くなりますが、今回はにおいはきちんとわかるので、それとはちょっと違う感じです。しばらくすれば治ると思っていたのですが、2か月経っても治らないので心配になってきました。何かの病気の前兆なのでしょうか。


耳鼻咽喉科で舌や口の中の検査を


(回答者:笠井耳鼻咽喉科クリニック院長 笠井創)

 味には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類があります。一口に味覚異常といっても味物質に同じ程度で味覚が低下するわけではありません。塩味だけわかりにくいという症状はほかの味覚と比較検査してみる必要があるでしょう。濾紙ディスク法という検査によって、うま味を除いた4種類の味覚が検査できます。検査は4種類の味を含ませた直径5mmの濾紙片をもちいて、同じ味を、うすいレベルから濃いレベルまで5段階に分け、うすい味の濾紙片から順に舌の上に置き、どのレベルで味覚としてとらえられるかを検査します。また、電気味覚検査は舌に微弱な電流を流して金属性の味がするかどうかをみる検査で、味覚障害がある人はかなり電流を強くしないと感じることができません。これらの味覚検査を行うことにより、味覚障害の程度と場所がわかります。

 【味覚障害はサプリメントで亜鉛の補充も】

 味覚障害に関して、もっとも因果関係が明らかになっているのが亜鉛不足です。つねに新鮮な味覚を保つため、味細胞は10日あまりのサイクルで新しい細胞に生まれ変わっており、新陳代謝に必要な酵素をつくる際に亜鉛が必要となります。十分な量の亜鉛がないと酵素ははたらかず、そのため新しい細胞はつくられず、味蕾は機能しなくなります。ですから健康な味覚を維持するために、亜鉛の含有量の多い食品を含めて、きちんとした食事をとることが重要です。市販の補助栄養食品サプリメントで亜鉛を補充することもよいでしょう。

 亜鉛不足になる原因でもっとも多いのは薬剤の副作用によるものです。常用しているくすりがある場合には疑ってみる必要があります。加工食品に含まれている食品化合物の中にも、同じように亜鉛を体外へ排泄させる作用をもつものがありますから、ふだんの食生活にも注意を向ける必要があります。

 また、舌炎があるととくに障害されるのは塩味の味覚で、このとき酸味と混同しやすいといわれます。舌炎の原因には、ビタミンB群(B2、B6、B12)や亜鉛、鉄分の不足が関係していますから、治療にはそれらの補給を心がけることが重要です。

 【長引くと治りにくいので早めに受診を】

 最初に受診される科は耳鼻咽喉科がよいでしょう。まず舌や口の中のチェックを受け、味覚検査のほかにも、血液検査で味覚障害と関連するほかの病気がないかどうかを確認してください。血清亜鉛値や肝機能、腎機能、貧血の有無を調べることになります。肝機能障害があると亜鉛排泄量が増加し、消化管からの亜鉛吸収が抑制されて、血液中の亜鉛量が減少します。加齢やストレスによって唾液の分泌が低下して舌炎を引きおこし、味覚障害を誘発することもあります。舌の表面だけでなく、口の中全体をおおっている粘膜にとって適度な湿り気が不可欠です。味覚障害が長く続いているケースでは治りが悪いことが多いので、できるだけ早めに原因に関して診断と治療を受けられるとよいでしょう。

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