(回答者:北青山Dクリニック院長 阿保義久)
婦人科ドックで対象となるのは、婦人科特有の臓器に発生する疾患です。子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、乳がんなど悪性疾患のほかに、子宮筋腫や卵巣のう腫、場合によっては性感染症(梅毒、トリコモナス、クラミジア、カンジダ、HIV感染など)をチェックします。一般の健診ではまったくふれない領域。したがって、婦人科特有の疾患をスクリーニングしたければ婦人科ドックを受けざるを得ません。
【30代からは年に1回の受診を】
生活習慣の西欧化や性行為感染症の増加の影響で婦人科領域のがんが増加傾向にあり、とくに乳がんは日本人に多く見られる胃がんに迫る勢いで発症数が増えています。
(1)初潮年齢が早い、(2)成人で高身長、(3)初産年齢が遅い、(4)運動習慣がない、(5)出産歴がない、(6)アルコールや脂肪の摂取過多、(7)閉経年齢が遅い、(8)血縁者に乳がんの人がいる、(9)授乳歴がない、(10)放射線被曝がある、(11)閉経後の肥満、などは乳がん発症の危険因子です。
これらに該当する場合は30歳代から1年に1回は乳がんのチェックをおすすめします。乳がんは早期に発見できれば、根治できることはもちろんのこと、以前のように乳房すべてを手術でとり除かなくても治せる手法がとり入れられています。早期に発見できれば手術をしても乳房を残すことができるようになってきたわけです。
触診のほか、乳腺エックス線検査(マンモグラフィー)、乳腺エコー検査、採血による腫瘍マーカー検査もできれば十分。必要に応じて組織検査も受けると万全です。これらの検査をすべて行うと所要時間は30分程度、費用は2万〜3万円が平均的です。
【子宮や卵巣の検診は20代から習慣づける】
性行為に対するモラル低下などのために、昨今、性感染症(梅毒、トリコモナス、クラミジア、カンジタ、HIV感染など)が急増しており、その発症年齢の若年化が認められるようになってきました。これらの感染症が原因で発がんのリスクが高くなることも知られています。すなわち乳がん検診と同様に、子宮や卵巣に関連する疾患のスクリーニングは比較的若年(20〜30歳代)からの検査の習慣を身につけておくことが重要です。
具体的に婦人科領域の検査としては、経腟エコー検査、子宮頸部擦過細胞診、骨盤MRIなどが必要となります。これらの検査の所要時間は30〜45分で検査費用は2万5000〜4万円です。
婦人科ドックは、羞恥心から検査を受けたがらない方が多いのですが、スタッフは女性が中心という医療機関が増えていますので、定期的に検査を受けることをおすすめします。
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