(回答者:東京歯科大学歯科矯正学講座教授 山口秀晴)
3歳ということで乳歯は、ほぼ生えそろっていると思われます。まず上あごの歯が10本、下あごの歯が10本あるか確かめてください。上あごで右だけを見ると、乳前歯が2本、乳犬歯が1本、乳臼歯が2本、計5本です。左右で10本、上下で20本あることになります。噛み合わせに問題はないということなので、上向きに寝かせ、肩の力を抜いて噛ませると、下の歯が上の歯の内側に入って、正常な噛み合わせになるものと思います。
力が入っていると、下あごを前にだして、切端咬合(突合せの噛み合わせ)になったり、下の前歯が上の前歯より前にでて反対咬合(受け口)になったりします。しかし、力を抜かせて、軽く噛ませるとふつうの噛み合わせになるのならば、問題はありません。緊張するときに下あごを前にだしてしまうくせがあるだけで、上下あごの関係は正常であると考えられます。
【噛み合わせのズレがみられたら矯正歯科へ】
3歳児頃の口腔習癖で多いものには、緊張すると下あごを前に突きだすこともありますが、指しゃぶり、口唇をぽかんと開けている口唇閉鎖不全、舌を口唇より前に突きだしている舌前方突出癖、上唇や下唇を口腔内に強く吸い込んでいる吸唇癖、口唇を噛んでいる咬唇癖、食べ物を前歯で噛もうとするくせ、などがあります。
しかし、これらの習癖による噛み合わせの異常がでていなければ、心配はないでしょう。もし、くせによって噛み合わせがずれたり、不正咬合となっている場合には矯正歯科医や小児歯科医に相談したほうがよいと思います。
また、うつ伏せに寝て顔に頭の重みがかかっていたり、片側に虫歯があるために反対側のみで食べ物を噛んでいたり、横向きに寝てほおづえをついたりしているとあごが横へ曲がることもあります。
【食事で噛み合わせが正常であれば問題はない】
ご相談の下あごを前にだすくせがあるということですが、ふだんの咬合状態や食べ物を噛むときに正常になっていれば問題ありません。しかし、泣いたときなどに下あごを前に突きだし、くせとなって反対咬合になってしまうこともありますので、もうしばらく様子をみたほうがよいでしょう。
しゃべるときに舌を下あごの中に入れたままあまり動かさないでしゃべる子や、舌足らずにしゃべる子がいます。この場合も下あごが前にだされて反対咬合になりやすいので注意が必要です。
このように、口腔の習癖、生活習慣、食べること、発音することなど口の機能が歯並びにおよぼす影響は大きいですので、日頃の状態をよく観察することが大切です。
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