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[においに敏感に反応する](06/07/10)

においに過敏になってしまい日常生活にも支障が

 38歳・女性。4か月ほど前に下痢と吐きけがでて以来、においに敏感になってしまいました(とくに寒い日は敏感になります)。化粧品や洗剤、印刷物などのにおいをかぐと、肺が重く感じ、舌が苦くなります。食べ物のにおいもつらいことがあるので、食事の際にもこまっています。病院へ行こうにも消毒のにおいがだめなのでこまっています。においに敏感に反応してしまう病気があったら教えてください。


日常のストレスの影響も考えられる


(回答者:埼玉医科大学神経内科講師 中里良彦)

 においの障害、すなわち嗅覚障害には次のようなものがあります。

 (1)無嗅覚

 (2)嗅覚減退

 (3)嗅覚過敏

 (4)異嗅覚

 (5)嗅覚失認

 嗅覚障害はアレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、副鼻腔炎、感冒、鼻茸、鼻孔狭窄、脳腫瘍、頭部外傷後などさまざまな疾患がきっかけになっておこります。

 このうちもっとも多いものは、嗅細胞が存在する嗅上皮の障害によるもので、慢性鼻炎や副鼻腔炎などの炎症が嗅上皮部分でおこります。この場合、多くは嗅覚減退、嗅覚脱出となり、多くの患者さんは「においを感じない」と訴えます。

 こうした患者さんは、しばしば味覚障害を一緒に訴えることがあります。しかし、実際に検査をしてみると嗅覚障害だけのことが多く、味覚に異常が感じられたのはフレーバー感覚の異常であろうと考えられています。

 たとえばかぜをひくと料理がまずく感じることはよくあります。これはかぜの症状で鼻の粘膜が炎症をおこすなどすることで料理のにおいをかげないため、おいしく感じなくなると考えられています。

 【においによる不快感が持続するのはまれ】

 一方、相談者のようににおいに敏感になるタイプの嗅覚障害、嗅覚過敏はまれです。

 病気ではありませんが、もっとも一般的によく知られている嗅覚過敏はつわりのときにおこるものです。

 つわりは、妊娠初期にみられ、吐きけや嘔吐などが主症状ですが、同時ににおいに敏感になったり、食べ物の嗜好が変わったりします。

 原因は、妊娠絨毛から分泌される絨毛性ゴナドトロピン(hCG)や黄体ホルモンの増加と考えられています。

 そのほか、内科疾患では、片頭痛の発作時に敏感になったり、側頭葉てんかんの発作時にいやなにおいを感じることが知られています。いずれも一過性で持続することはありません。

 においのもつ大きな特性の1つに情動との関係があります。においをかいだあとに気持ちがよくなったり、不愉快で気分が悪くなったりします。こうした一時的な情動とのかかわりは、視覚、聴覚に比べて嗅覚は大きいといわれています。

 においによってよい情動反応を引きおこす物質を使った治療法がアロマテラピー(芳香療法)です。香りによりストレスからくる病気を治療しようとするものです。

 【状況や体調でにおいの感じ方が変わる】

 相談者は、ふだん香水など心地よいと感じていたにおいに対しても、不快に感じられているのでしょうか。通常は嗅覚過敏といってもすべてのにおいに過敏になっているわけではなく、不快感を引きおこすきっかけは情動・気分との関係が強いようです。

 すなわち、同じにおいでもかぐときの状況や体調によって影響を受けるのです。相談者はストレスや不安、睡眠不足などの体調不良となる要因はないでしょうか。こうした要因をとり除くだけでも症状が軽快することも考えられます。

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