(回答者:都立広尾病院小児科 医長 原 光彦)
4歳の女のお子さんの標準体重は約16kgでお子さんの体重は20kgですから、中ぐらいの肥満と思われます。幼児肥満は、学童期肥満や成人肥満につながりやすく、生活習慣の見直しが必要です。しかし、子どもは成長の途上にあるため、極端なダイエットは禁物です。体重を減らすのではなく体重の急激な増加を抑えて身長を伸ばすことを目標にしてください。肥満の解消には、食生活の見直しと遊びや日常生活のなかでできるだけからだを動かす機会を増やすことが大事です。
【子どもたちに与える食品量、タイミングに心を配る】
まずご家庭で行うべきことは、食事やおやつ、飲み物の内容や量、タイミングを肥満しにくいパターンに変えていくことです。太りすぎの幼児に共通して見られるのは、食事の主導権が子どもにあり、子どもが好きなものを食べたい時間に食べているというスタイルです。人間は生来、甘いものや脂肪が多くカロリーの高いものを好む性質があるので、このようなスタイルでは、甘いものや高脂肪な食べ物に偏りやすく、食事とおやつの区別もつかなくなってしまいます。
もし、水代わりにジュースやスポーツ飲料を飲んでいるなら、水かお茶にしてください。ファストフード業界は子どももターゲットにしています。多くの子どもはファストフードを喜んで食べますし、安価なため利用頻度が多くなりがちです。しかし一般にファストフードは高カロリーで、血液中の悪玉コレステロール(LDL)値を上昇させる飽和脂肪酸を多く含み、また栄養について考える機会や伝統食を子どもたちに伝える機会を奪ってしまうため、あまり利用しないほうがよいでしょう。
4歳のお嬢さんに適した食事の量は、お母様が召し上がる量の2/3程度です。幼児にとっておやつは楽しみでもあり必要なものですが、夕食に影響がでない量にしてください。またカロリーや塩分の多いケーキやスナック菓子は控え、果物やヨーグルトなどにするとよいでしょう。不必要なおやつの買い置きはさけましょう。
【幕の内弁当の割合で栄養素をバランスよく摂取】
食事内容は、たんぱく質、脂肪、炭水化物のバランスに注意し、幕の内弁当をイメージして、食事の総分量の5〜6割程度はエネルギーの基になる炭水化物とし、おかずだけを与えないようにします。ごはんやパン、パスタなどの炭水化物は、食物繊維やミネラル豊富な、五穀米や発芽玄米、全粒粉を使った製品を選ぶとよいでしょう。たんぱく源は、脂肪の多い牛肉や豚肉はさけ、皮をとり除いた鶏肉や大豆、魚、乳製品から選びましょう。脂肪は、オリーブオイルなどの植物油がおすすめです。
食事は、ご家庭で調理するのが理想ですが、調理済み食品を買い求める際には、食品表示をよく読んで、肉の脂身をとり除くなどの注意を払い、健康的な内容になるよう心がけましょう。このような注意を払えば、少ない食事量を強いることなく、食事を楽しませることができます。
幼児期は食べ物の嗜好性が確立する時期です。最近のお子さんは洋食を好む傾向がありますが、健康食として世界的に評価されている和食に親しむ機会を意識して与えることも大切です。
このような注意を払っても、肥満が急激にすすむときには、内分泌疾患など特定の病気によって肥満している可能性もありますので、その場合は小児科への受診をおすすめします。
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