[子どもの歯列矯正](06/11/30)
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歯列矯正は早いほうがいいのか?矯正に最適な年頃はいつか。
8歳の娘のことで相談です。歯列矯正をする予定ですが、主治医は始めるなら早いほうがいいといいます。一方では15歳をすぎてからがいいという話も聞き、迷っています。矯正は何歳で始めるのが最適なのでしょうか。 |
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治療開始時期については矯正歯科専門医と相談を |
(回答者:九州大学歯学研究院・口腔保健推進学講座・咬合再建制御学分野教授 中島昭彦)
凸凹の歯並び(叢生歯列)や受け口(反対咬合)、出っ歯(上顎前突)、開咬、あごのゆがみなどを治すのが矯正歯科治療です。口の中に矯正装置を装着し、それを少しずつ調整して正しい噛み合わせをつくります。噛み合わせが悪ければ食物をよく噛めない咀嚼障害がおこります。あごや筋肉の正常な発育を促すためにはよく噛むことが大切で、脳の発達にも影響をおよぼすことが動物実験でも証明されています。歯並びが悪く、息が漏れるような患者さんでは発音障害が生じます。また、凸凹の歯並びで歯磨きがむずかしいと虫歯や歯周病になったり、噛み合わせが安定しないことがあごの関節に負担をかけて顎関節症の誘因になったりします。とくに前歯の歯並びは表情と強い関係をもっており、整った歯並びが健康で魅力的なスマイルに不可欠であることはいうまでもありません。
成長期のあごや歯は、鼻の病気による口呼吸のくせや指しゃぶりなどのくせによっても変化します。また大人になっても虫歯などで歯がなくなると、そこに向かってほかの歯が動く性質があります。歯やあごが正しい方向へ成長するように誘導したり、力を加えて少しずつ目的の場所に動かすのは生体反応を利用したものです。そのため治療の期間はそれなりに長くかかることになります。
【早いほうがすべての症例でいいとはいえない】
生体反応は若ければ若いほうがよいといえます。噛み合わせの異常による二次的障害、すなわち、あごの成長のゆがみや歯の寿命が短くなるなどが考えられる場合は、幼稚園年長児や小学校低学年など、できるだけ早い時期での治療が必要でしょう。しかしながら治療開始は若いほうがすべてよいかというと一概にそうとはいえません。早く治療を開始してむやみに治療期間を長引かせることは患者さんに精神的ストレスを与えるだけでなく、口の中に入れた装置がじゃまをし、歯磨きがうまくできなくなり虫歯を誘発することもあります。とくに7〜8歳頃の永久前歯交換期には前歯部に配列不整が生じることがあります。これはアンデルセンの童話にたとえて「醜いアヒルの子の時代」といわれ、そのうちに白鳥になる可能性も十分にあります。同じく乳歯列でのすきっ歯(空隙歯列)も多くの場合、異常ではありません。永久歯が生えてくるとそのスペースは自然に解消します。そのため、正常な範囲の不ぞろいであるかどうかの判断が重要です。
【個々の症例により、治療法や開始時期は異なる】
矯正治療は前歯が永久歯に生え変わった時期に1回目の治療、永久歯が全部生え変わったときに2回目の仕上げの治療を行うのがふつうですが、効率的な治療を行うため1回目を省いたほうがよい場合もあります。したがって、ご質問の8歳で治療を開始するのが早いか遅いかは個々の症例で決まるということになります。少なくとも治療の目標は、乳歯がまだ残っている混合歯列期ではなく、永久歯列期における安定した正常な噛み合わせです。歯科がある大学病院や矯正歯科専門医に相談されることをおすすめします。
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