(回答者:昭和大学藤が丘病院泌尿器科助教授 佐々木春明)
【EDに漢方薬の内服は効果的か】
EDは年齢とともに有病率が増加します。日本の統計では10歳代前半で18%、40歳代後半で20%となり、その後有病率は右肩上がりに増加します。日本でEDに悩む方は、推計で1100万人といわれています(ちなみに糖尿病患者は850万人です)。
EDは、まったく勃起しない場合はもちろんですが、少し弱くなった、持続が短くなったなどの軽症の場合でもEDと診断されます。
EDの原因には、加齢、心因性、薬剤性、内分泌性(ホルモン異常による)、神経性(脊髄損傷や骨盤内の手術後など)、血管性(動脈硬化による)などがあります。近年は糖尿病や高脂血症、高血圧、狭心症などの生活習慣病との関係も指摘されています。1〜2年前からはメタボリックシンドロームとの関連も注目されています。
【ED治療は経口勃起障害治療薬が中心に】
ED治療の第一選択治療法は内服薬です。以前は内服薬の中心は漢方薬でしたが、バイアグラが1998年に米国で認可され、日本でも1999年3月に認可されてからの治療は、経口勃起障害治療薬がその中心となりました。
漢方薬は韓国の朝鮮人参が有名ですが、日本での過去の報告をみますと、牛車腎気丸、八味地黄丸、補中益気湯などが処方され、20〜80%の有効性が認められています。有効性に幅があるのは症例により勃起障害の程度が異なるからです。
しかし、有効性が低いことと、医学的妥当性の検討(臨床試験:有効成分の含まれていないものとの比較試験)がなされていない点を考慮すると、私は漢方薬をおすすめしません。
先にも述べましたが、1999年以降は経口勃起障害治療薬が第一選択となりました。
経口勃起障害治療薬の種類は(1)バイアグラ(ファイザー)、(2)レビトラ(バイエル)、(3)シアリス(日本イーライリリー、認可申請中)の3つがあります。作用のメカニズムは、陰茎の海綿体組織の中で、勃起をおこし持続させる物質が分解されるのを防ぐことにより、勃起機能を改善する薬剤です。これらの薬剤の有効性は80〜90%です。心配される副作用に重篤なものはなく、ほてりなど一過性で軽度な副作用のみです。
私たちの施設で、経口勃起障害治療薬を服用した方は475名です。30歳以下の方は全体の23.6%にあたる112名です。40歳代の方は全体の22.7%、108名です。つまり、49歳以下の方が全体の46.3%とほぼ半数を占めています。決して特殊な疾患ではありませんし、よくある疾患で相当数の方が悩んでいることがおわかりいただけたと思います。
【製薬会社のホームページなども参考にしてみては】
どうしても漢方薬を希望する場合は別ですが、有効性や確実性、安全性、金銭面を考慮すると、経口勃起障害治療薬をおすすめします。処方してもらえる泌尿器科や内科を医療機関に直接問い合わせても結構ですが、製薬会社のホームページからもアクセスできますので、利用してみてください。
私たちの調査では、EDを治療することにより、パートナーとの関係も改善しますので、迷わず治療することをおすすめします。
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